早起き
珍しく早起き。
ぼろぼろのサンダルで散歩に出かけた。
部屋を出て一番に飛び込んできたのは、朝焼け。
目がくらんだ。
まぶしすぎて直視できない。
でも、怖くない。
太陽には差別も区別もないから。
恐ろしいのは、人の視線。
それぞれの瞳から放たれる眼差しの中に、差別、区別、疑い、興味、敵意、蔑み、いらだち、非難、嫌悪、色んなものが混じりこんでる。
その視線の中で生きていける自信がない。
加えて、人はたくさんいる。右にも左にも視線。
どこに目線を置けばいい?
見られることで「読まれている」気がする。
自分の思ってること、恐怖、戸惑い、羞恥、汚さ、すべてを見抜かれる気がする。
実に危険だ。
自由を感じて歩き回る時間はすぐに終わった。
犬の散歩をする人が出始めたからだ。
地面と視線を合わせて人の横をすりぬける。乱れる呼吸を押しとどめながら部屋に戻った。
足の震えが止まらない。
こわい。こわい。こわい。
急いで朝食をかきこんで、食後の薬を飲む。
40分ぐらいで震えと不安は治まった。
それでは、また。