2013-10-01から1ヶ月間の記事一覧
今日は2週間に1度の通院。 受付の女の人に、あいさつして診察券を出す。 いつも通り嫌な顔をされた(気がする)。 診察は普段通り変化なし。ただし今日は採血があった。 僕は結構強力な薬を飲んでいるので、定期的な検査が必要なのだ。 診察室の隣にある、…
走った。 身体を動かしたかった。だから走った。 全力で走って、息があがる。 早朝なので空気が冷たい。苦しくなって息を吸い込むと、喉の奥を切りつけられるようだった。 人がいない田舎道。田んぼが広がっている。 鳥たちがこっちを見ていた。 ふざけて両…
最近ずっとテレビを見ていなかった。 ゲームもやっていない。 外に出るようになって、現実がリアルになってきた。 あれ、何か言葉がおかしい。 何ていうか、「本物」が目の前にあるのだ。 テレビのホラー番組も怖いけど、近所のおばさんの視線の方が怖い。 …
「よくやった」と師匠は微笑んだ。 それだけですべてが報われた気がした。 何がいいかな、と師匠はピンク色で大きなリボンのついたバッグをガチャガチャいじって、よし、と呟く。小さな四角いカードのようなものを取り出した。 「これをやる。褒美だ」 ――こ…
昨日甥っ子からもらったファッション雑誌を読んでいた。 むずかしい。 わからない。自分には合っていないな、と感じた。 しかし、よく考えると僕は人目を気にして怯えているのに、自分の服装に無頓着というのは矛盾していないか、と思った。 気合を入れて本…
実家に行ってきた。 二つの意味で。 ひとつは母の内職の手伝い。もうひとつは、最近母が喘息をこじらせたから、その様子見だ。 甥っ子も来ていた。 中学3年。受験生だ。 久しぶりに顔を合わせたので戸惑ったり、緊張したり、恥ずかしかったりした。 この町…
寒くなった。 先日、毛布を出した。部屋着も長袖だ。 洗顔する時の水も冷たい。 うまく言えないが、外出すると何かが変わっている事を感じる。 空気が違う。ちょっとさみしい。 ここの所、僕はずっとこたつに入っている。 クロ(ドラゴン・生後1カ月とちょ…
――どうだ、うまいか? クロはもりもり肉を食べる。 豚肉。「おつとめ品」。三割引き。 歯がしっかり生えそろったので、生肉も問題なく引きちぎっていた。 よかった。実はここのところクロが若干痩せたような気がしていたから、どうにも落ち着かなかったのだ…
今日こそ行かなくては。 肉を手に入れるために、スーパーへ。 億劫だ。昨日は絶対行くと思っていたけど、一度逃げたら余計に怖くなってくる。 しかし、いつまでもサラミとポテトチップでごまかせるわけでもない。 昨日と同じように予防のヒルナミンを飲み、…
今日は朝から気合が入っていた。 いや、緊張していたと言うべきか。 肉を買いに行くのだ。スーパーに。 やっぱり怖い。行きたくない。 だけど、ブヒブヒ鳴きながら寝ているクロを見て、決意を固めた。行くしかないんだ。それに今日は平日だし、学生とかいな…
クロが今までのエサをまったく食べなくなった事を師匠に相談した。 すると師匠は「ああ、そうか」と当り前のようにバッグから茶封筒を取り出し、僕に差し出す。 「これで肉を買ってこい」 封筒の中身を確認すると、千円札が三枚入っていた。 「ある程度成長…
だめだ。 クロがご飯を全然食べない。 病気なのか?どうすればいい? 焦る。参った。困った。 あのエサに飽きたのだろうか? 以前クロがサラミ(1本30円)をガツガツ食べていた事を思い出し、僕は近所の雑貨屋、サトウ商店へ行った。 いつものおじいさん…
筋肉痛だ。昨日歩きすぎたようだ。 今日は休日だったので、外に出る事は控えた。 やっぱり人と出くわすと緊張するし、キモいとか言われるとそれなりに傷つく。 それにしても寒くなった。 こたつを出すことにする。 もう何年も使っているものなので、電源コー…
今日は、歩いた。とにかく歩いた。 5年以上はき続けているスニーカーの消耗がこの頃著しくなった。 かかとの部分がごっそり削れている。 それを見て、今まで全然外を出歩いていなかったことを実感する。 太陽がぽかぽかするけど風は少し冷たく、肌寒い。 気…
病院へ行ったきた。 精神科。僕の通っている病院では、予約のシステムはないので、毎回短くない時間待つことになる。 1時間ぐらい待って診察は5分とかだ。 最初はそれが嫌だった。結構人がいるし。 ただ、ロビーには週刊少年漫画雑誌や女性週刊誌、新聞、…
僕は今日も長時間外に出た。 人と出くわさなければ、調子は崩れない。予防でヒルナミンを飲まなくても大丈夫。 それで、ノートとふでばこを持って行った。 絵を描くためだ。 スケッチ、なんて立派なもんじゃないけど、風景を書きたいと思った。 人は僕を拒絶…
昨日の事がちらついて、落ち着かない。 家の中になんかいられなかった。 近所の河原、土手の部分にある階段に一人で座って考えてみる。 小学校の方から子供の声が耳に障る。 ……川を流れる水の音を聞きたかったのに。 誰も、何も悪くないだろう。何をイラつい…
今日の師匠は一味違った。 輝いている。全身から生きる喜びのようなものを発しているように見えた。 来ている服も特別な感じ。 ふわふわのピンクのニット、花柄のミニスカート、ひざ丈のブーツという格好。 おしゃれオーラが出ている。メイクもなんかいつも…
昨日はちょっと動いた。 その反動か、すこし疲れが出ていた。 窓際でクロとひなたぼっこして、じっくり休んだ。 これまでの事をすこし思い起こし、最近生活が変わったなあ、なんて午後のお日さまに当たっていたら、電話が鳴った。 母だった。 「助けて」と言…
完成した。 ユニット折り紙90枚組。 昨日の夜、法則を見抜いて1時間ぐらいかけて、組み上げた。 集中しすぎたらしく、僕は調子を崩した。 緊急用のヒルナミンと就寝前の薬を飲む時間が近かったせいか、11時間近く眠っていた。 眠りすぎて眠い。身体もだ…
全て折り終えた。 ユニット折り紙、柄なし、色合わせなし、90枚。 後は組み立てるだけ。 写真で完成品を見た事はあったが、どう組み立てればきちんと90枚で球ができるのか、僕は知らなかった。 ここからが本当の挑戦だ。 完全な球になるから、おそらく全…
残り50枚。 今日も折り紙を折った。 最初はいい。15枚ぐらいまでは集中がどんどん高まっていくだけだ。 20枚目ぐらいで貧乏ゆすり、というか足が震えてくる。 30枚を折ったあたりで、もう神経がまいってくる。 天井やトイレの壁に着いている黒い点が…
早速ユニット折り紙を折り始めた。 昨日からだらだらやって40枚完成。 誰の役にも立っていないが、1枚、また1枚と折り進めていくのは楽しい作業だ。 しかし、集中が高まりすぎたせいで調子を崩した。 早めにヒルナミンを飲んだことがよかったのか、すぐ…
折り紙を買いにサトウ商店へ行った。 課題をこなすためには折り紙が必要だからだ。 店内に入ると、トゥルルル、ルルルルという懐かしい電子音。 床はごつごつしたコンクリート(石?)でできていて、駄菓子屋のような独特のにおいがした。 コンビニのような…
いつも通りレポートを書き終えると、師匠は新しい課題を言い渡してきた。 「やりたいことをやれ」 意外だった。僕の予想では「買い物に行く」とか「人に挨拶する」とか、何か外に出ることの延長だと思っていたからだ。 「やりたかったけど、やらなかったこと…
さっき風呂に入ってきた。 僕は、夜が怖いので午後8時には眠る生活をしている。だから、入浴時間が割と早めだ。 ゆっくり入浴していると、クロが入ってきた。 水やお湯に対する恐怖心はないみたいだ。 さすがに湯船にはつからない、しかし、手すりの所まで…
猫じゃらしを使ってクロと遊ぶ。 散歩のとき千切ってきた。 ヒガンバナの赤、しおれた白い花、花のないたんぽぽ。 吹き荒れる風に舞う枯れ葉なんかも楽しんできた。もうすっかり秋だ。 猫じゃらしを、びゅんびゅん振るう。 右に振るえば右に、左に振るえば左…
鏡を見る。 額に、にきびができている。 この年になると「吹き出物」と呼ぶらしい。姉が言っていた。 風呂で顔を洗ってはいるが、洗顔料はもう久しく使っていなかった。 買いに行くことができなかったから。 どうしても必要なものは、母に頼んでいたけれど、…
病院へ行ってきた。 二週間に一回。 前回はクロを一人にしておけなかったから、「腹が痛い」と言ってさぼった。 もう留守番させても大丈夫だと思い、今日はちゃんと通院した。 なかなか混みあっていた。 いつも見かける人もいたし、そうでない人もたくさんい…
新聞がなくなってしまった。 クロのトイレに使っていたのだ。 猫用のトイレを実家から運び出して使っていた。 本来、こういうトイレには専用の砂があって、それを使うことになっている。 僕の場合、買い物に行けないので、新聞紙をちぎってそれを敷き詰めて…