hatopoppo_25's blog

気づけば普通の日記になっていました。

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スタンガン

来た。

あの子、調査員。

午後になって玄関のチャイムが鳴る。

恐る恐る開けると、いた。

花柄のワンピース。靴下をはいて、その上からサンダル。

僕はファッションに疎いのでよくわからないが、これ、おしゃれなのか?

今日は最初から構えていた、カッターナイフを。

彼女は僕を睨みつけながら「仕事だ、入れろ」と言うと、返事も聞かず部屋の中に入ってきた。

土足で。

あの、と声をかけると、不機嫌そうに「何だ?」と返事をした。

僕は勇気を振り絞って、危ないからカッターはしまってくれませんか、と頼んだ。

無言。

何も変なことしません、と説得した。すると、「わかった。こっちにする」と言って、バッグの中を漁った。

カッターをしまったかと思うと、代わりにヒゲ剃りみたいなものを取り出した。

あれは多分、スタンガンだったと思う。

ものすごく警戒されている事はわかった。ちょっと心が傷ついた。

 

前回同様、デジカメを取り出して、卵を撮影し始めた。何枚か撮ったところで電話が鳴った。彼女の携帯だ。

出る。

「ああ、私~。今バイト中なんだ。終わったらすぐ行く~。待ってて~」

何か普通だった。というより、軽い。声も高かった。

何なんだ?

再び声をかけた。

あの、なんか僕に対する態度と電話の人に対する態度が大分違いますね。

「当然だ。お前に気を使うことで、私に何のメリットがあるというのだ?」

低い声で、吐き捨てるように言った。

明らかに差別されてる。

ここまで露骨に見下されたことがなかったから、呆気にとられた。

そのまま、5分ほど卵の写真を撮ったかと思うと、彼女はズカズカ歩いて出て行った。

卵は今も変化なし。

僕の神経はすり減るばかりだ。

それでは、また。