ひどかった
今日は2週間に一回の通院日だった。
暴れている人がいた。
何か叫んでいたけど、どこかへ連れて行かれた。
僕は少し落ち着かなかったが、調子は崩さなかった。
以前の自分なら「引っ張られて」いたと思う。
そもそも、なぜ僕は発作を起こすようになったのかを思い出した。
僕は以前3つの病院に措置入院をしていたことがある。
3つもまたいだのは、夜に緊急入院する事になって、そのたびに当番病院が違ったからだ。
で、その3つのうち、1つだけひどい病院があった。
そこに入院してから、発作が起こるようになった。
入院前より状態がひどくなった。
とにかく、病院の人たちがひどかった。
あの病棟は重傷というか、正気を失っているような人ばかりだった。
話し相手を見つけるのが大変だった。
会話ができない人ばかりだったから。
そういう患者さんが多かったからか、病棟の看護師が完全に患者をなめていた。
薬を飲まない人には、鼻をつまんで「口あけないと息出来ないよ、死ぬよ」とか言って飲ませる。で、その患者がいなくなると、悪口を言う。
「めんどくさいなあ。本当に死ねばいいのに」とか。
食後の薬の時間。
1人の男性看護師が患者にクイズを出す。「答えないと薬上げないよ~」と笑っていた。患者は調子が悪いのか、「薬、薬」とうめいていた。
それでもそいつは、「クイズに答えろよ」と笑っていた。
……思い出すだけで腹が立つ。
そう言う事がたくさんあって、心が折れた。何か傷ついた。
加えて。
狙われた。
他の入院患者に。目をつけられた。
僕の飲んでいたペットボトルをうばってぺろぺろなめたり、ベットに入ってこようとする。
真夜中に気配を感じて目を開けると、目の前に立っていて、こちらを見下ろしていた。
一応病棟の看護師に相談する。
が、「よかったねー」と笑うばかりだった……よくねえよ。
ちなみにその患者は男だ。
ホモなのか何なのかわからないが、危なかった。
限界だった。
気付くと発作を毎日起こすようになっていた。
結局そこは2週間で脱出できたけど、あのままあそこにいたら発狂していたかもしれない。
その後11年。
未だに発作に悩まされている。
何とかなりませんか、と先生に相談すると、
「薬で対処しよう」とのこと。
ちなみに他の2つの病院では、手厚く看護してもらえた。
話を聞いてもらったり、色んなレクリエーション、美味しい食事、時に作業を一緒に行ったり、温かいレモンティーも分けてもらった。
僕にはその対応の中に敬意や、真剣さが含まれているように感じられた。
本当に感謝している。
変な言い方かもしれないが、入院病棟には「当たり外れ」みたいなものがある。
もう入院することはないと思うけど。
それでは、また。