hatopoppo_25's blog

気づけば普通の日記になっていました。

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宣言

午後1時。

こたつに入ってクロとポテトチップ(のりしお味)を食べていたら。師匠がやってきた。

ミニスカートだった。

目のやり場に困る。

 

午前中、恋愛小説を読んで胸を熱くしていた事を師匠に伝えた。

「独身男の悲しい日常だな」

――余計なお世話です(笑)。

僕は師匠と普通に話せて、普通に笑える事が嬉しかった。

心臓はずっとドキドキしていたけれど。

何気ない話を小一時間して、好みの異性のタイプの話になった。

師匠の好みは、

・人を差別しない人。

・器がでかくてお金のある人。

・自殺しない人。

という事らしい。

僕は頑張ろう、と思ったけど何をどう頑張ればいいのかわからなかった。

「それとだな、男は腕っぷしだ。いざというとき弱いものを守れん奴なんて論外だ。絶対に惚れてやらん」

……筋トレしなきゃ。

お前はどうなんだ?と言われて答えに困った。

どうするべきか?

100点満点の人が目の前にいるのだから、説明したらばれるかも。

いや、1回説明したけど、全然気付かなかったな。

――前言ったとおりです。好きになった人がタイプです。

「……そうか」

師匠はつまんない、という顔をした。

僕は言った。

――告白しようと思うんです。

師匠の大きくてまん丸の瞳がさらに開いた。

――もうずいぶん、練習を積んだんです。コンビニで「レシートください」って言ったり、世間話を切りだしたり。自分の思ってること、けっこう言えるようになったんです。そろそろ、言えそうな気がして。

「頑張ったんだな。だが、勝算はあるのか?敗者の美学なんて私は認めないぞ」

師匠は急にとりみだした。いつも冷静なこの人があわてる理由が僕にはわからなかった。

「ふられても、バカなことを考えるなよ。ひらたくいうと、自殺なんかするなよ」

一瞬、冗談かとも思ったが、その眼差しと口調で本当に心配してくれている事がわかった。

――ふられて全部投げるようなケチな恋はしてません。

僕がそう言うと、目の前の大きな瞳がゆっくりとうなづいてくれた。

告白は来週ぐらいにしようと思っている事を伝える。

「うまくいくといいな。頑張れ」

師匠が僕の気持ちに気付く気配は全くなかった。

 

ちなみにアイハラ君の好みは、エロい、いや、色っぽい女性だという。

だからミニスカートなんですね、とたずねると、

「エロい目で見るな、変態!」と怒られた。

アイハラ君はいいのに何で僕は……。

そうか、これが俗に言う「ただしイケメンに限る」だな、と納得した。

ちょっとへこんだ。

それでは、また。