泣く事とつながり
僕はよく泣く。
感動したりすると。
とくに人が泣いているところを見たりすると、もらい泣きしてしまう。
テレビドラマとか演技の方でも。
統合失調症になってから僕は長いあいだ、泣く機能が停止していた。
薬の飲みすぎだったのか、感情をとらえる事ができなかった。
自分と、自分の感情のあいだに距離があって、何を見ても、聞いても、鈍い感動しかなかった。
だから、人が泣くという事を実感を込めて理解する事ができなかった。
ある意味守られていたのだと思う。
薬で抑えておかないと、自分の中にあるものに耐えられなかったから。
恨みとか呪いとか、そういうネガティブなものに。
無感動になる事が、ゆるせない何かをやり過ごす手段だった。
薬が減った今は、涙が出るほど感情が高ぶる。
そうなると、実感を込めて人の気持ちを想像できるようになった。
誰にだって辛い事はある。
あの人も、あの人も泣いている(はず)。
そういう想像ができるようになった。
すると、人間の事がちょっぴり愛おしくなった。
その結果、発作が起きる事が格段に減った。
何となくだけど、人を信じられる。
泣いてばかりいる。
強くなっているのか、弱くなっているのかはわからない。
でも、
感じている。生きている。
今はその事に満足している。
それでは、また。