大掃除3、ギター
引き続き、大掃除をしている。
真夜中、誰もいないタイミングでごみを捨ててきた。
部屋の中を見渡した。
生活空間は大分片付いたが、ものが多い。
ごちゃごちゃしている。
収納だ。
押し入れの整理に取り掛かった。
本がたくさん、作り終えたプラモデルの箱、週刊少年漫画雑誌、日記を書いたノートなんかでいっぱいだった。
その中から、ギターが出てきた。
高校時代、同じ部活の友達に1000円で売ってもらったものだ。
ボディに穴があいている。有名なミュージシャンのまねをしていたら、どこかにぶつけてしまったらしい。
おまけとして、ギターの練習本も貰っていた。
僕は、それを見て練習していたのだが、「F」と言うコードがどうしても押さえられなくて断念していた。
僕は昔から何一つまともにできなかった。
でもこれからは違うんだ、と思ってギターを手に取った。
弦が想像以上に固い。
やっぱり「F」は無理だった。
鉄さび臭くなった手を水で洗いながら、見てろよギター野郎、いつか弾いてやるからな、と復讐を誓った。
それでは、また。