hatopoppo_25's blog

気づけば普通の日記になっていました。

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コンビニ

明け方、僕はコンビニエンスストアの前に立っていた。

師匠との約束、課題をこなすためだ。

念のために予防のヒルナミンを飲んでおいた。

なかなか入店できなかった。

やっぱり怖い。

人が少ない時間を狙ったけど、コンビニという要塞そのものが怖い。

しかし、もたもたしていて夜が明ければ、人が集まってくるだろう。

僕は意を決して店の中に入った。

 

「いらっしゃいませ~」

おじさん店員が一人いた。思い込みかもしれないけれど、視線が鋭い気がした。

おにぎりのコーナーへの直進ルートと、本棚への店員回避ルートの2択。

迷わず本のコーナーへ潜り込む。

客は僕以外1人もいなかった。

 

目的は「他の人の役に立つ事」すなわち「レジの横にある募金箱にお金を入れてくる事」だった。

たぶん、本当はコンビニに挑戦しろ、という事なのだと思う。

募金だけして帰って行くのも怪しまれそうなので、何かを買ってそのおつりを入れる、というのが僕の考えた筋書きだった。……筋書きでも何でもないか。

何を買おう?

本のコーナーからつきあたりを見ると、冷凍の棚が設置してあった。

興味の赴くままのぞいてみる。

アイスクリームだけかと思いきや、ガッツリ系の冷凍おかずが売っていた。

しかも、100円!

から揚げ、やきそば、五目ごはん、ギョーザ、ええと、あとなんだっけ?

色々あった。テンパってて全部は覚えてない。

とにかく驚いた。充実のラインナップだ。すごいよコンビニ!

 

とりあえず、クロも食べられると思ってから揚げ、自分用にギョーザを手に取る。

……師匠へのお土産も忘れない。

そのままレジへ。

店員さんの視線が怖かったので、ずっと下を向いていた。

わざとおつりが出るようにお金を支払い、10円玉を緑の募金の箱に入れてきた。

コンビニから脱出した僕は、冷凍食品でひんやりしたレジ袋を片手に、小さくガッツポーズをつくった。

それでは、また。