絵本
今日は図書館へ行ってきた。
「キッチン」を返却するためだ。
受付で返却期限を1日過ぎてます、と注意された。
特にペナルティはなかった。
訪れたのが2回目だったので、心に少し余裕ができていた。
絵本のコーナーに忍び込んだ。
黒人奴隷に関する絵本を開いた。
銃を持った人たちが、アフリカの人たちを拘束する。
船で運ぶ。何日も飲まず食わずで海を渡る。物と同じ扱い。何かの在庫のように棚に押し込めて、排泄物は垂れ流しにさせる。途中で亡くなったら、容赦なく海に投げ捨てる。
運び終えたら、セリにかける。
売れたら、焼きゴテで焼印をつける。
同じ故郷の人たちは離ればなれにするという。
協力しての反抗を防ぐためだ。
もちろん人権は、ない。
いとしい人に会う事も出来ず、やりたい事も出来ないまま、ひたすら道具のように虐げられる。
殴られたり、蹴られたり、もう、嫌な事いっぱいだ。
なんだこれは!ひどいよ、と思った。
苦しくて、悲しくて、つらい思いをする。
一生、ずっと。
だけど、彼らの子孫は今だって生きている。つまり奴隷にされた人たちは、それでも生きる事を選んだということか。
ふと思った。
自分がもし奴隷にされたら……?
想像しただけで。
言葉にならない。
こういう内容の本を見せるのも酷な気がするが、子供に見せる意味と価値のある本だと思った。
詳しい事情は知らないけど、これに相当する程ひどい事は今だって世界のどこかで行われているのだろう。
何とかならないのか?
せめて自分はもうちょっとでも人に優しくしようと思った。
この本を書いた人の狙った反応とは違うかもしれないが。
ちょっと傷ついた。
それでは、また。