天気
走った。
人のいない田舎道だ。
だいぶ体力がついてきた。
身体の調子もいい。精神的にも安定していた。
ここのところ発作も起きていなかった。
それなのに。
川を見遣ると、少し濁っているのがわかる。
ときおり見られたカメの姿はもう、ない。
草は枯れている。
冷たい風が吹く。
空は白々しく晴れている。
なんだかさみしい。
境界性人格障害の人と話した事がある。
その人は天気が崩れると、例えば曇ったり、雨が降ったりすると、調子が悪くなると言っていた。
僕は逆だ。
天気があまりにもいいと調子が悪くなる。
何ていうか、アウェーな感じがしてくるのだ。
世界は明るい。自分とは違う。みんなが僕を置き去りにしていく。そんな感覚に襲われる。
父と別れた日も、今日みたいな気持ちの悪い晴れた天気だった。
太陽、ちょっと引っこんでてくれ。
調子を崩した。
家に帰ってヒルナミンの力に頼った。
相変わらず不安定な自分に、苛立ちと焦りを感じる。
それでは、また。