調子がいい、でも。
調子がいい。
2時間以上本を読んでも、調子が崩れない。
テレビを1時間見ていても大丈夫。
調子がいいので(気分もいいし)、サトウ商店へ行ってきた。
ポテトチップを2袋購入。
のりしお味。
1つは自分用。
もう1つはクロの分。
うまいかクロ?たくさん食えよ。なんて言いながら一緒にバリバリ食べた。
そのあと、床に散らばったチップのかけらを掃除機で片付けた。鼻歌を歌いながら。
外に出られるし、買い物だって楽しめる。
自分への嫌悪感だって揺らいできたし、親を恨むのもやめようと思えてきた。
楽しい事だって、たくさんある。
なのに。
それなのに。
……さみしい。
クロと遊んでいるときは楽しい。
だけど、あいつが眠ったとたん、部屋が静かになって、どうしようもないさみしさに襲われる。
独りで暮らしていた時の事を思い出してしまうからだ。
ひとりで過ごす時間、僕の限界は3日間だ。
誰にも会わず、話さず、家の中でこもっていると、心が枯れてくる。
訳もなく涙が流れる。
クロがここに来てくれてからは、1度も無いことだけど。
今はいい。だけど、
クロだって1年経ったらいなくなる事になっている。
師匠だって来なくなるだろう。
それが怖い。
結局僕はだれかにかまってほしいだけなのかもしれない。
人が怖いのだって、それだけ人に飢えているからだ。
どうすればこの胸の空白が埋まるのか?
いつか答えを出さなきゃ。
見つかるものなのか、わからないけれど。
それでは、また。