hatopoppo_25's blog

気づけば普通の日記になっていました。

【送料無料】僕のひきこもりナンパ宣言...

【送料無料】僕のひきこもりナンパ宣言...
価格:1,365円(税込、送料込)

レシート

自己主張をする課題。

その先にある、告白。

僕は息をのんで、明け方のコンビニへ突入した。

レシートをもらいに。

正確には、「レシートください、と主張すること」が課題だ。

客は僕のほかには白髪のじいさん1人だけだった。

人がたくさんいなくてよかった。

慣れてきたとはいえ、やっぱり僕にとってコンビニは緊張するものなのだ。

人が多いと思うだけでハードルは上がる。

人が後ろに並んでいるという状況で「レシートを、」と主張するのはちょっと、気が引ける。

何かプレッシャーを感じます。

できるだけ難易度は下げておきたかった。

「乗り越える壁は1枚ずつだ」と師匠にも言われている。

 

緊張する。

どもったらどうしよう。

じいさんが新聞と缶コーヒーを持ってレジに向かう。

僕もそれに続く事にした。

並ぶ。呼吸を整える。ピークまで精神を高めようとすると、

「後ろのお客様、こちらへどうぞ!」

不意打ちだ!

店員さんがもう一人出た!

心の中で僕は、やるしかねえ!と腹をくくった。

チョコレート菓子と緑茶を買う。そして、

――レシートください。と言えた。

店員さんの目を見ては言えなかったけど、

できた。やった。勝った。

しかし、僕は緊張しすぎていた。ドアを開けて店を出る時に店員さんの話声が耳に入る。

「あの人なんか変」

「最初からキョドってたじゃん」

出来るだけ普通を装っていたつもりだったが、失敗していたらしい。

でも、いいや。

僕には目的があって、それをクリアできたのだから。

店を出て、小さくガッツポーズをつくった。

それでは、また。