変化
昔から僕は「いるのか、いないのかわからない子」と言われていた。
人の中心にいる事に対するあこがれはあった。
しかし人前に出るのは怖い。
頭の中は色々考えるのだけど、それをどう表現していいのかがわからなかった。
結果的にはいつも黙っている。
要するに、目立たなくて大人しい子供だった。
そのまま、年だけ取って大人になってしまった。
自分で振り返っても意志のない人間だったと思う。
しかし、今日……!
スーパーへ行ってきた。
事件があった。
笑われた。パートのおばさん2人に。
指を差された。
何か嬉しそうに笑ってた。
ここまではいつも通り。
今まで僕は人に笑われると、
自分はやっぱり駄目なんだ、ここにいちゃ駄目なんだ、嫌われて当たり前なんだ、穴があったら入りたい、生きていてごめんなさい、とか思っていた。
しかし、今日の僕の反応は違った。いや、変わった。
こう思った。
黙ってろ!デブ!!
と。
反撃できた。心の中でだけど。
もちろん「黙ってろ!」とか「デブ!!」とか言うのは褒められたもんじゃない。
しかし、さわやかな気分だった。
自由を感じた。
人に対して敵意を向ける事が出来た。
気付いたのだ。
「限界」とか「できない」とか言って自分を縛りつけていたのは自分自身だと。
誰に頼まれたわけでもないのに、「真面目に」「大人しく」って、1人でビクビクしてた。
そんなのはつまんないからもうやめる。
自由に感じて自由に思う。
それを自分に許すことにした。
また笑われるかもしれないけど、そのたびに「黙ってろ!デブ!」と叫んでやる(心の中で)。
心が軽い。
意志がある。
自由を感じる。
最高だ。
それでは、また。