思い出した
部屋の中を整理していたら、父の写真を発見した。
僕に似てる。
いや、僕が父に似てるのか。
その写真をゲシュタルト崩壊が起こるまで見つめてしまった。
僕が小学校に入学した時ぐらいに両親は離婚した。
意味がよくわかってなかった。
母も姉もいるのに、父だけがいなくなる。
なんか全然知らない土地に引っ越してきたりするし。
母は僕と姉に離婚の説明をする。
理屈はわかった。
姉はもう中学生で、元々しっかりした人なので、現実を受け止める事が出来ていたように見えた。断定はできないけど。
僕の知る限り、そのことで姉が母に文句の一つを言うのも見た事がない。
でも僕はすんなりと事態を受け入れる事が出来なかった。
それが、恥ずかしいと思っていた。
母に対しての後ろめたさもあって、自分の気持ちをずっと隠してた。
母は僕を愛してくれた。
けど、
僕は父にも愛されたかった。
子供のころから自分は間違ってるんじゃないかって思って生きてきた。
「正解」があるのかどうかわからないけど、ふとんの中で隠れて泣いてるのは正解じゃなかった気がする。
……。
まあ、いいや。
今を生きよう。
正解がわからなくても。
それでは、また。