近所のおじさん
僕は毎日散歩をしている。
その時ほぼ確実に遭遇するおじさんがいる。
白髪交じりでふっくらした感じの、優しい雰囲気の人。
いつも庭仕事や、家庭菜園をしている。
犬を抱っこして散歩しているときもある。
おじさんは今日も庭の手入れをしていた。
脚立に上って松の木を剪定。
あいさつをする。
僕はあのおじさんが怖くないから、笑顔であいさつできる(引きつってるかもしれないけど)。
おじさんも笑顔で応えてくれる。
向こうが多少、こちらを警戒している事は、わかる。
でも、なんだろう、悪い気がしない。
なんというか、あの人が僕のいないところで、僕を否定する画が浮かばない。
いや、何かネガティブなことを思われている可能性はじゅうぶんある。
でも、いい、と思える。
不思議だ。
あのおじさんに対して、恐怖を感じない。
僕は父方も母方も、祖父母とあまり縁がなかった。
だから、理想的な祖父のイメージをあのおじさんに投影している部分はあると思う。
つい素直な気分になってしまう。
なので、長生きしてほしい。
そういう感情を持てる相手がいる事が、ちょっと嬉しいのです。
それでは、また。