薬が減った
今日は2週間に1回の通院日だった。
いつも通り受付で診察券を出した。
緊張はしなかった。
これまですっと、普通にふるまえているかを気にしていたけど、
今の僕にはどうでもいいことだった。
自分が心の底から好きになった人にふられた。
拒絶はされなかった。
でも、もう会えないかもしれない。
ふられたことは、もう受け入れた。
正直、師匠への気持ちはまだある。
でも、師匠はきちんとふってくれたので、しつこく迫るのはルール違反だと思う。
だから、ここで区切りをつけなくちゃならない。
前を向く。
ボーっとしてたら駄目だ。どんどん沈んでいってしまう。
すっきり、くっきり、はっきりと新しい自分になりたい。
診察室に入る。先生は言った。
「どうした?今日はいつもより表情に力があるけど」と。
僕は薬を減らしてもらうよう、交渉した。
色々質問されたけど、何でもないです、調子がいいんですと、ガンガン押した。
嘘ではない。僕は生き生きしていた。
人目が気にならないし、発作も起こってない。
先生は渋々薬を減らすことを許してくれた。
それで、条件を出された。3つ。
1、いつもは2週間に1回のペースだけど、来週も診察を受ける事。
2、頓服の薬を用意しておくから、調子が悪くなったら薬を飲んで、きちんと対処する事。
3、それでも駄目ならすぐに受診する事。
という訳で、薬が減った。
挑戦だ。
それでは、また。