いつか、必ず
今日も実家へ行ってきた。
内職を手伝う。
帽子のはみ出た糸を取る仕事と値札をつける仕事。
薄手の生地の帽子だった。もう夏の商品を作り出しているらしい。
僕は特にテンションが高いわけではなかったが、母に生き生きしてるね、と言われた。
生きている事が楽しいから、と答える。
すると母は、
「お母さんは楽しくない。あとは死んでいくだけ。早く死にたい」と吐く。
僕は傲慢かもしれないが、いつかこの人に人生を肯定させてやりたいと思った。
明日は月曜日。
師匠は来るだろうか?
来ても、どんな顔をして、どんな態度で話をすればいいんだろう?
……。
答えが出ない。
不安だ。
なんだ。僕自身が揺れているじゃないか。
母に偉そうなこと言えないな。
どうやら僕にはまだやることが山ほどありそうだ。
まだ死ねない。
まだ死なない。
いつか死ぬ時には、必ず笑って死んでいくと決めている。
負けてたまるか。
それでは、また。