薬物生活

僕の人生は薬で織り上げられているのか？

ずっと頭の片隅にあった問いだ。

統合失調症を発症して、たくさんの薬を飲んできた。

先生には「君は一生薬を飲み続ける必要がある」と言われた。

たしかに薬が切れると落ち着かなくなる。

思考がまとまらなくなり、足が震える。

発作が起きて、神経が暴走する。光と音に浸食される。

自分が壊れていく。

つまり、日常生活が送れなくなる。

こわいし、つらい。そして、追いつめられる。なので、

逃げるために薬を飲む。

薬自体にも依存性があるのだろう。

説明書にも書いてある。

急にやめたらやばいですよ、と。

すごく嫌だった。

思考も感情も、薬にダイレクトに干渉される。

なら、こうして感じ、考え、思っている僕って何なんだろう？

ボタンを押せば反応するロボットみたいだ。

そんなふうに感じてた。でも、

最近は考えを変えた。

先生がこう言っていた。

「君が薬を飲むのは、目が悪い人がメガネをかけるのと同じだ」と。

 僕はその言葉を鵜呑みする事にした。

簡単に言うと、割り切った。

飲まないと生活できないし。

今日も病院へ行ってきた。

薬を減らす挑戦をしている。

調子がいいからだ。

不安がある。でも、実際には病状は安定してきている。

副作用から解放されてきているのも大きい。

自由を感じる事が増えた。

自分の中で一応の決着はついた。

薬を飲んでも僕は僕だ。

そんなふうに思っている。

それでは、また。