hatopoppo_25's blog

気づけば普通の日記になっていました。

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独りじゃない

午前中、散歩に出かけた。

頭がクリアだった。

午後から甥っ子と数学の勉強をする約束をしていたので、

あれもしよう、これもしようって色々考えてた。

なんか調子がいい。何でもできそうな気がした。

だが、どことなく違和感があった。

 

部屋に戻る。

壁やテーブルに付いている模様や、小さい点が迫ってくる。

にらまれているように感じる。

気付いた。

薬箱を確認。

朝食後の薬を飲み忘れていた。

急いで飲む。

間にあってくれ。

……間にあわなかった。

光と音に圧倒される。

見えない何かに責め立てられる。

テレビを止める、窓を閉める、カーテンを引く。

クッションで目を塞いで横になる。

「隠したって無駄だ」

「どうせうまくいかない」

「お前はもう終わっている」

誰かにそう言われている気がする。

きつい。

呼吸も乱れる。

こんなんじゃあ、社会復帰できないじゃんと思った。

忘れかけていた不自由感につかまれた。

ちくしょう。

 

発作が落ち着いてきて目を開けると、クロが目の前にいた。

「ニャー」

ずっとそばにいてくれたのか?

ああ、いつだってこいつは僕のそばにいてくれた。

ただいてくれるだけで僕の心は救われてる。

未来は見えない。

どうすれば幸せになれるのかだって、はっきりはわからない。

でも、せめて今は目の前のこいつを大切にしよう、と思っていたら。

噛みついてきた。

……なんだ、飯がほしいだけかよ。

ひどいよクロ、と言って僕は立ちあがった。

 

独りじゃない事がうれしい。

それでは、また。