自分なりに生きている

僕の自転車は変なパンクの仕方をしている。

空気を入れると１時間は走れる。

しかし、

２時間ぐらい放っておくと空気が抜けてぺしゃんこになる。

何故か時間をかけてしぼんでいく。走っている時は大丈夫なのに。

なので、遠出する時にはポータブル空気入れを持ち歩かなきゃいけない。

直せばいいのだけど、自転車屋さんに持っていくと、タイヤ総とっ替えが待っていると思われる。

おそらく６０００円ぐらいかかる。

うーん。

別に今のままでも使えるしなあ……。

という訳で、不便なまま使っている。

あの自転車と僕は似ている。

あの自転車は空気入れが無いと、走れない。

僕は薬を飲み続けないと、生きられない。

実に面倒だ。

だけど、逆に相違点もある。

自転車は直す事ができる。

でも、僕は一生治らない。

以前はそんなふうに思って落ち込んでいた。

しかし、今はちがう。

受けいれた。

欠けて、失って、不完全でも、

僕は想ったり、感じたり、考えたりできる。

生きている。

しかも、助けてくれる人がたくさんいる。

ありがたい事だ。

薬を飲み続けられる事だって、恵まれている。

しかし、もらうだけの人生も駄目な気がしているのも確かだ。

働くべきだと思うし、老いが進んでいく母の面倒をみるのも長男である僕の仕事だ。

これから先、戦う事はいくらでもある。

すごく、怖気づいてるけど。

さしあたって今、僕がしているのは、

甥っ子（中学生の方）のカードゲームに付き合う事だ。

対象年齢が高いゲームなので、彼の同級生たちはやっていない。というか存在を知らないようだ。

コンビニに売っているゲームでもないし。

そう言う訳で、彼の対戦相手は僕しかいない。

僕が教えたという責任もあるので、求められたら応えることにしている。

どんなに調子が悪くても、ヒルナミンに頼りながら勝負にでも受けて立つ。

いま僕が成し遂げられているのはそれぐらいだ。

笑ったりムキになったりしながら、思い出が増えていっている。

そう考えると、甥っ子にだってもらってばかりだ。

幸せだ。

それでは、また。