hatopoppo_25's blog

気づけば普通の日記になっていました。

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強い視線

今日は、町の運営する無料バスでスーパーへ。

買い物は普通にできた。

もう人目も気にならない。

時間があったので自販機のそばにあるテーブルで昼食をとることにした。

しそ梅おにぎりと、惣菜屋の「ちびっ子メンチ」、スーパーオリジナルブランドのお茶の300円セットを食べ終わると、僕はバス停へ向かった。

そこには、おばあさんが2人いた。

 

「いい天気ですね」とか「どこから来たんですか」とか話す。

しばらくすると、そこにおっさんが1人現れた。

スーツ、と言っていいのかわからないが、グレーのジャケットと中に白いカッターシャツを着ていた。

禿げているのだけど、残りの髪をオールバックにして、ジェルかなんかで固めていた。

一言で言うと、清潔感のある人だった。

おばあさんたちに「このバスどこ行くの?」と質問。

2人はあんまり詳しくないらしく困っていた。

 

「兄ちゃんわかるか?」

まっすぐに、視線を向けられた。

あまりにも強い視線だったので、僕は咄嗟に目をそらしてしまった。

それぐらい、強い眼差しだった。

自分に自信を持てない僕にとっては、強烈過ぎた。

 

 おっさんは「イオン」というデパートに行きたかったという。

僕は何とか行き方を説明できた。

 

それで、そのあと僕とおっさんは色々話した。

おっさんは勢いのある人で、その場にいる人を巻き込んで楽しくしゃべり続ける。

明るくて、人見知りとかしないんだなあ、と僕は感心した。

 

おっさんは、年金暮らしで暇を持て余しているという。

そのため、暇つぶしに1日5店舗くらいスーパー巡りをしているそうな。

散歩が趣味らしく、僕の住んでいる地域の事にもかなり詳しかった。

 

おっさんと話し、バスの時間が近づくにつれて、人が増えてきた。

そして、1人のおばあさんを見て、おっさんは反応を見せた。

「○○さん!久しぶり!」

おばあさん、小さく笑う。

知り合いなんですか?と僕が聞くと、

「おう、1回やった人だ!」と答えた。

意味がわからなかった。

何を「やった」のか?

聞こうとしたのだけど、他の人たちは爆笑してるし、おっさんはおばあちゃんとマンツーマンになったので、割り込むすきが無かった。

というか、普通に聞けないし。

僕はそっち方面の話かと思いつつ、失礼かもしれないのでそれ以上考えない事にした。

周りの人たちは笑っていたから、わかっていたんだろうか?

……世界は謎だらけだ。

その後もおっさんは喋り続け、場を盛り上げていた。

バスが着くと、おっさんは入口の所に立って他の人に先を譲る。

「レディーファーストだ」とか言っていた。

 

バスの中でもおっさんは喋り続けた。

僕は思った。

根拠ははっきり説明できないのだけど、この人、元々は大人しい人じゃないのか、と。

ただ明るいとか、ただ元気、ではなく孤独を内に秘めている、そんな印象を持った。

まんべんなく人に話題を振ったり、聞くところはきちんと聞く、きちんと相手の目を見て話す。

そういうおっさんの挙動を見て僕は、素直にすごい人だと思った。

それに、たぶんおっさんは人間が好きなんだろう。

僕はそのことがとても素敵なことだと感じられた。

いい人と遭遇出来た。

僕は、あんなおっさんになりたい。

それでは、また。