姉の考え
今日、姉に会って話を聞いた。
日々の出来事。
子供の事、夫の事、仕事の事。
姉と話す時、基本的に僕はいつも聞く方だ。
子供の頃からずっとそうだった。
僕は、子供のころ考えたり、感じたりする事をしてこなかった。
なので、話し上手ではなかった。
最近ちょっとましになったけど。
一方姉は、とにかくしゃべる人だ。
見聞きした事を、わかりやすい順番で、シンプルな描写を使って相手に想像させる話し方をする。
ようするに、面白い。
僕は小さい頃から、姉に対して劣等感があった。
年賀状の量が全然違うし、友だちからの電話の量も雲泥の差だった。
悔しかった。
「人に求められる姉」と「必要とされない僕」みたいに思っていた。
それでも、僕は姉の事が好きだったので、あこがれと劣等感の2極でいつも揺れていた。
それで、ひととおり姉の話を聞いた後、
質問してみた。
もっとおしゃれになる方法は無いか?と。
以前から、姉にはファッションのアドバイスをもらっていた。
自分なりにファッションの勉強、というかファッション雑誌を読む事は続けてきた。
けれど、何かが違う。
楽しめなくなってきた。
感動がない。
相談してみると、
「○○(僕)は、着てる服が似合ってない」とはっきり言われた。
姉曰く、
・いつも来ているヒョウ柄のパーカーはワイルド系。あんたはワイルド系じゃない。
・似合う格好をした方が良い。
・ファイナルファンタジーみたいな髪型もやめた方がいい。
とのこと。
僕は反論を試みた。
好きな格好を追求するのがファッションなんじゃないか?と。
回答は、
「似合っている格好をしないと、服もその人自身の魅力も損なわれる」だった。
それから姉の考えを聞いた。
・誰にだって自分の容姿(顔、身長、スタイルなど)に不満はある。
・その条件の中で自分をいかに輝かせるかがファッションの面白い所。
・「好きな格好」をしたいなら、そういう格好の中で、自分にちゃんと似合うように工夫した方がいい。
なるほど、と思った。
たしかに「好きな格好するぜ!」と思っても、それだけしか考えなかったら、服も自分も無視することになる。
だったら、ちゃんと現実を見て折り合いをつけて行くことこそ、自分と服に向き合う事になるし、受けいれることにつながるんじゃないか。
僕はそんなふうに受け取った。
自分の中でファッションの意味が変わった。
ついでに姉に聞いておいた。
僕はどっち系のファッションが似合うのかと。
「かわいい系・さわやか系」という答えだった。
いま、そういう視点で雑誌を読み始めている。
今までと同じ事をしているのに、意味がちょっと違う。
成長の階段をちょっぴり上った気がしてる。
たのしい。
それでは、また。