予約
ダイエットで甘いものを我慢していた僕は、
とうとう耐えきれなくなり、セブンイレブンへ遠征した。
それが昨日の事。そして、
狙いをつけていた「宇治抹茶シュークリーム」は売り切れだった……。
諦められない!食べたい!欲しい!と食欲の亡者になった僕は、今日もセブンイレブンへ足を向けた。
宇治抹茶シューが食べたい。
「甘ければ何でもいい」という心の声は振りきることに。
手に入らない、と思えば思うほど、宇治抹茶シューが欲しくなった。
強迫観念か?という懸念はこの際、無視する。
もう、迷いは無かった。
歩く。片道15分。
草刈りのシーズンなのか、四方から草の匂いがしてきた。
癒される。
すれちがう車の視線もそんなに怖くない。
できるだけ意識しないように、心の中で歌を歌っていたけれど。
ふと空を見上げると、不穏な色の雲が広がっていた。
急がないと、降り出す。
僕は、ちょっと早歩きに切り替えた。
店に侵入。
宇治抹茶シュークリームは、ない。
店の中でうろうろしてても仕方ないので、店員さんに聞くことに。
すいません、と声をかける。
レジにいた店員さんは白髪のおばさんで、
話しかける僕の目をまっすぐ見てきた。
その目はすごく澄んでいるように見えた。
人の悪口とか言わなさそうな人だと思った。思い込みだけど。
なので、僕は安心して話せた。
それで、わかったのは、
・宇治抹茶シュークリームの取り扱い自体はしている。
・今日は売り切れてた。
・明日、入荷する。
何時ごろですか?と聞くと、
3時ごろです。という答え。
3時かあ……。
その時間は甥っ子に勉強を教えている可能性があったので、僕はちょっと考えていた。
もたもたしてると、また売り切れるかも。
だけど、テスト勉強をほったらかしにもできない、うーん。
と、思っていたら。
予約します?と聞かれて、びっくりした。
そんな事ができるなんて思いもよらなかった。
結局、僕は契約書(無地のレシートの裏)にサインと電話番号を書いて、取り置きの約束を済ませてきた。
契約完了。
これで、明日には宇治抹茶シューに会える!
僕はルンルン気分で店を出た。
それでは、また。