hatopoppo_25's blog

気づけば普通の日記になっていました。

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出来ない事と生きる事

僕は中学生時代、卓球部に入っていた。

実力は無くて、部の最弱候補、筆頭。

明らかな欠陥があった。

僕は回転サーブを出せない。

不器用なのか、運動神経がないのか、いまだによくわからないが、いっさい回転が使えなかった。

それがどういう事か例えてみると、忍者が忍術を使えないようなものだ。

侍が剣を振るえないみたいな。

作戦が立てられない。バカ正直に、相手にとって打ちやすい球しか出せない。

すごい不利。しかも知らない連中にも笑われるし。

「あいつ、回転使えないんだ(笑)」。

傷ついたし、悔しいし、勝てない。

顧問の先生に相談しても、どうしようもなかった。

結果、僕はスネて部活に行かなくなり、カラオケボックスに入り浸ることに。

大声で歌いながらも、心のどこかで思い続けていた。

「他の人はできるのに、自分にだけはできない。自分は劣っている」と。

どこか心の奥深くで、そんな思いを引きずり続けていた。

 

19歳の時。

統合失調症になった。

「できない事だらけ」になった。

食後の薬を飲んで2時間は動けなかったし、落ち着かない時はじっとしていられなくて、部屋の中をぐるぐる歩き続けたり。風呂にも入れなくなった。湯船につかっていられなかったからだ。

外出なんてもってのほか。

2週間に1回ぐらいは外に出ていたけれど、真夜中に自販機の前に行くぐらい。

何もかもが怖くて、痛みと自己嫌悪しかなかった。

当時の僕は「もう何もできない。未来なんてない」と悲観していた。

気に入らなかった。

病気も、抵抗すら出来なかった自分自身も。

 

だが、卓球部みたいに退場することはできなかった。

死を選べなかった。

首にコードを巻いた事はある。

だけど、やめた。

なぜやめられたのか、理由は未だにわからない。

でも、生き残った。そして、その時の自分の選択に満足もしている。

 

それから、

時間をかけて、ゆっくり、じっくりと人と関わったり、生きる事の意味を自分なりに整理していった。

すると、恐怖は揺らぎ、飲む薬の量も徐々に減っていった。

 

僕はずっと「自分にできない事があるのは嫌だ」と駄々をこねていたけど、

だんだん考えが変わり、「出来ない事があって当たり前だ」と納得できるようになった。

ようするに、自分はわがままだったと気づけた。

 

自由は拡大している。

いまならコンビニにも行けるし、文章や絵を描いたり、料理をしたり、お酒を飲むことだって楽しめるようになった。風呂は1日に2回入りたいぐらいだ。

「できない事」を受けいれた途端に、「できる事」が飛躍的に増えた。

人生は不思議だ。どういう仕組みかさっぱりわからない。

でも、きらいじゃない。

生きていられる事が嬉しい。

それでは、また。