ひとり
一昨日ぐらい、午前中に外に出たら何組かの老夫婦と遭遇した。
皆、一様に同じ方向に歩いていくので何かのイベントかと思い、声をかけてみた。
すると「ノハナショウブを見に行く」との事だった。
僕の住むアパートの近所には、ちょっとした植物園みたいな施設がある。
そこでイベントがあったらしい。
獅子舞とかお祭りみたいな事がある、と。
さすがに人が多いと発作が起きそうなので、その日僕はスルーした。
しかし、花自体は咲き続けていると思ったので、今日見に行ってきた。
これがノハナショウブ。
紫色が綺麗だと思う。
なんでも1つの個体で、2~4回の開花を見せると現場にいたおばちゃんが言っていた。
満開の頃はとうに過ぎているらしく、本当はもっと華やかだという。
それでも僕は興味深いと思った。
よく見るとしぼんだ花のわきに、新たなつぼみが待機しているのが見えた。
花壇のわきの用水路にはメダカが泳いでいて、心が和んだ。
この施設は町で管理されているらしく、お菓子の販売もしていたし、俳句のコンテストもあるらしく、作品を募集していた。
僕は俳句は分かんないので手が出なかったけど。
説明してくれたおばちゃんが言うには、夜来ると蛍が飛んでいるらしい。
そっちの方も興味が湧いた。
橋の下とかにいるらしい。
他にも、
ヒマワリも咲いていた。
ちっちゃくてかわいいと思った。
人通りのないところで見つけたアジサイがある。
こいつだ。
他のアジサイはみんな一緒に仲良く咲いているのに、このアジサイだけポツン、と咲いていた。
僕は、一体こいつに何があって孤立しているのだろう?などと考えた。
周りにいた奴がみんな枯れたとか、仲間はずれになる理由があったのかなど、いろいろ考えて、こいつばかり見てしまった。
僕にとってはこのアジサイが本日のメインだった気がする。
僕はアジサイに、幸せ掴めよ、と心の中でつぶやいて植物園を後にした。
また来年も行こうと思う。
それでは、また。