hatopoppo_25's blog

気づけば普通の日記になっていました。

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眉毛

眉毛には気をつけている。

 

1週間に1度は眉掃除をしている。

カミソリで無駄毛を剃り、

はさみで長さを整え、

コームを当てて濃いところを間引く。

僕の眉毛は濃いので、放っておくと左右がつながってしまう。

それを阻止するため、こまめに手入れをしている。

気にしている。

 

気にしているのには理由がある。

高1の春。

新学期。

僕は眉毛がボーボーだった。

それをクラスの女子2人組に笑われた。

「もっさい」とか「ダサい」とか、陰口を言われていた。

向こうは僕が気づいている事に気づいていなかったと思う。

傷ついた。

が、放っておいた。

そのうち飽きるだろう、と思ったからだ。

だが、だんだん事態はエスカレートしていった。

何とあの子たちは、歌を歌い始めた。

僕がダサいという歌を。

 

へこんだ。つらかった。

今よりも心が弱かった僕にはきつかった。

とはいえ。

面と向かって罵倒されるとか、他に危害を加えられたわけでもないので、いじめの範疇でもない。

ただ、笑いのネタにされるのはきつかった。

 

かと言って、眉毛を整えるのも、癪だった。

なんか「負けた」みたいな気がするから。

今振り返ってみると、僕は意固地になっていたのだと思う。

結局そのまま、ボサボサ眉毛をネタにされる生活が1か月ほど続いた。

 

ある時、2人組が例の歌を歌っている時に、僕が偶然出くわした。

互いに、無言。

時が止まった。

僕は、「ふざけんなよ」とボソッと文句を言うので精一杯だった。

 

その夜、姉に相談した。

どうすればいいんだ?と。

姉の答えは。

「グダグダ言ってないで、眉毛を整えろ」だった。

他に何の手だても思い浮かばなかったので、僕はその言葉に従った。

姉に眉毛セットを借りて、眉カットに挑戦した。

全く経験がなかったので、ぎこちない。

カミソリで目と眉の間を切ったり、眉山を削ってしまったり。

失敗したら余計笑われる。

ミスは許されない。

しかも、成功してもそれはそれで笑われるかも、という心配もあった。

 

初めて自分でやる眉カットはうまくいった。

そうしたら、

あの2人組に笑われる事が無くなった。

というか、普通に話しかけてくるようになった。

僕は驚いた。

眉毛1つでこんなに扱いが違うものなのか、と。

ひどく理不尽だと思ったのを覚えている。

それで、あの時の2人組の歌は未だにトラウマとして残っている。

という訳で、僕は眉毛を気にするようになった。

 

病気がひどい時はサボっていたけど、最近はちゃんと手入れをしている。

とはいえ、僕は不器用だ。

未だに眉を剃った直後は肌がヒリヒリする。

その痛みを感じる度に、あの頃の事をちょっぴり思い出す。

負けてしまったのか、勝って乗り越えたのか、判断のつかない思い出だ。

それでは、また。