hatopoppo_25's blog

気づけば普通の日記になっていました。

【送料無料】僕のひきこもりナンパ宣言...

【送料無料】僕のひきこもりナンパ宣言...
価格:1,365円(税込、送料込)

甥っ子たち

子供の頃から、僕は人間が嫌いだった。

とくに病気がひどい時は、人間を憎んでいた。

呪っていた。

みんな死んでしまえ、とか思っていた。

何よりも、そんな考えしかできない自分自身が嫌いだった。

肯定できなかった。

他人も、自分も。

 

だが、そんな僕にも転機は訪れた。

高校1年の時、甥っ子が生まれたのだ。

かわいかった。

無垢で、無力で、罪がない。

憎む事などできなかった。

そもそも、赤ん坊を憎む道理なんて僕には理解できない。

子供は好きだったし。

 

初めて甥っ子と会ったのは産婦人科の病院だ。

生まれたばかりの赤ん坊たちが、ナースステーションでカプセルみたいなものに入って並んでいた。

そこに、いた。

甥っ子と目があった瞬間、衝撃が走った。

理屈では説明できないのだけど、「守りたい」と思ってしまった。

あれは父性みたいなものなのだろうか。わからないが、あの瞬間、僕の中の何かが動いたのは確かだ。

自分はいつまでたっても被害者で弱くて駄目だ、と思っていたけど、

そんな自分よりも弱い存在が現れたのは、僕にとっては1つの事件だった。

 

その後、僕は統合失調症を発症し、入退院を繰り返した。

退院して薬が体に合い始めた頃には、甥っ子は保育園児になっていた。

甥っ子次男も生まれていた。

それで、一緒に遊ぶようになった。

古いゲームをやったり、宿題を手伝ったり、ムシキングを楽しんだり。

笑ったり、ふざけたり、泣いたりした。

手に届く範囲に友人のいない僕には、身に余る幸福だった。

姉には「子供たちの世話をありがとう」と感謝されるが、世話になリ救われていたのは僕の方だと思う。

 

甥っ子たちとは、いつまでもこのままでいたい、と思いつつ、離れなくてはいけないとも思っている。

今まであの2人にはずいぶん甘えてしまった。

読書感想文の代筆をしながら、そんな事を考えていた。

 

そういえば。

今は人間が嫌いじゃない。

それでは、また。