甘え
昨日、姉の家へ行ってきた。
姉と甥っ子兄弟がいた。
甥っ子は2人いる。
兄さん(兄)と天才(弟)だ。
兄さんは高校1年。天才は中学1年だ。
穏やかな午後。
僕は姉に出してもらったコーヒーを飲みながら本を読み、
姉は天才の宿題を手伝っていた。
兄さんはオンラインゲームに熱中していた。
ゲームの結果に一喜一憂。ニヤけたり、突然叫びだしたり、大変な奴だと思った。
天才と姉は色々話しながら宿題を進める。
天才は反抗期なのか、暴言が多い。
「おまえのせいだ」とか「バカか」とか。
それに対して姉は笑顔で対応していた。
ちなみにあいつは未だに姉の事を「ママ」と呼んでいる。
友だちの前では「母さん」と言っているようだが。
姉はそれがこそばゆいと言っていた。
天才は1人で勉強できない。
絶えず人を使う。
あれやって、これやって、と。
でも、勉強ができないわけじゃない。
実際教えていても、僕が言う前にだいたいの事はわかっている。
だから、勉強を教えるということそのものでなく、「一緒に勉強に付き合ってくれる人」を求めているのかな、とも思える。
つまり、甘えだ。
僕は僕で。
今まで甥っ子たちに勉強を教えてきた。
教える事は嫌いじゃないし、感謝されれば嬉しい。
でも、どこか嫉妬していた。
「自分が子供の時はこんなふうに付き合ってくれる人はいなかった」と。
そういう気分が常にある。
人間がちっさいかもしれないけど。
それで、天才に手伝ってと言われた。
僕は読んでいる本に夢中だったし、姉も面倒を見ていたので、
「甘えるな!お前にかまっているひまはない!フゥーハッハッハ!」と冗談交じりに断わった。
……今思うと大人げなかったと思う。
しばらくすると電話がかかってきた。
天才の友達からだった。
「うん、わかった」と言って電話を切る天才。
「ちょっとしたら戻ってくる」と言って外へ。遊びに行ったらしい。
姉は、息をつき、若干の愚痴を述べた。
天才は最近わがままだと。
まあ、そういう時期なんじゃないか、と僕は返しておいた。
読書を進めると、自分の深層心理をテストするページに到達した。
1人ででもできるが、誰かに手伝ってもらった方が楽そうだった。
なので、
姉に手伝ってもらった。
しかし、
途中で手伝ってもらう必要がない事に僕は気付いた。
それを姉に伝えると、「いいよ、このまま手伝うよ」と言ってくれた。
ちょっとためらいつつ、僕は「じゃあ、甘える」と答えた。
深層心理テストは問題なく終了した。
「甘えたい願望が強い」という結果だった。
ジャストミート過ぎて、僕は苦笑した。
ちょっとして、天才が帰ってきた。
僕は自分から宿題を手伝う、と申し出た。
天才は「気まぐれだなあ」とつぶやいていた。
それでは、また。