初日
今日は仕事初日だった。
配達の仕事。前日の夜に担当の人が荷物を持ってきてくれて、
朝、指示をもらってからスタート。
緊張して、昨日の夜はほとんど眠れなかった。
実際に仕事をしてみると。
楽しい、と思った。
自転車で走ること自体、気持ちのいい事だし、
関わる相手も普段散歩をするときに挨拶をかわす人がほとんどだ。
配達物は携帯端末で認証してからポストに投函するのだが、その1回1回が目に見える達成感を与えてくれる。
僕は喜びを覚えながら、配達をしていた。
しかし、とつぜん携帯端末のアラームが鳴った。
電池切れ。
謎だった。
前日に長時間ガッツリ充電していたからだ。
しかし、携帯端末が機能しない限り、配達は続けられない。
僕は大人しく充電しに、自宅へ戻った。
配達に時間制限があるから焦った。
幸い、45分で電源の表示はフルチャージに。
急いで、外へ。
だが、再び15分ほどで、アラーム。「充電してください」。
もう一度。45分。で、15分出て、再びアラーム。
こりゃあ駄目だ、と思ったので、会社に電話した。
バッテリーに問題があるかもしれない、という事だった。
すぐに用意できる替わりの端末が無く、物理的に配達ができないのでそのまま荷物を回収。
今日はお休みとなった。
ちょっとへこんだ。
何にへこんだかというと、自分にへこんだ。
会社に電話をする時と、担当の人が回収に来てくれたときに僕は取り乱してしまったのだ。
緊張していたし、焦ってもいた。
なので、早口で一方的に喋ってしまった。急かす感じで。
もしかしたら、口調が苛立ってしまっていたかもしれない。
そんな僕に対して、担当の人はひたすら穏やかに話を聞いてくれて、一言ゆっくり、
「大変でしたね」と声をかけてくれた。
その瞬間、僕は冷静さを取り戻した。
ちょっと不都合が起きたくらいで、取り乱している自分はかっこ悪いと思った。
同時に、担当の人は余裕があってかっこいいなあ、と思った。
この違いは何だろうか?
やはり社会経験とか、踏んだ場数の違いによるものなのだろうか、などと考えた。
いつか、自分もこの人のように振る舞えるようになりたいな、と思った。
結局、中途半端に仕事が終わってしまった。
できるなら、1日分の仕事をやりきって達成感というか、「やれた」という実績を自分の中に作りたかったのだけど。
色々な事を考えて、色々な事を感じた1日だった。
くらくらするくらい、充実している。
そして、また明日の仕事が。
今、周辺の地理の勉強をしている。
それでは、また。