胃カメラ
昨日、胃カメラを飲んだ。
前日からほぼ絶食。
当日は水も一切口にしてはいけなかった。
内臓からの出血を調べる事が目的だったので、CTも撮ってもらった。
朝8時から、採血、注射、CT、胃カメラ、2時間安静。という日程だった。
前日は早めに床に就いてぐっすり眠るように、と指示されていたが眠れなかった。
胃カメラという未知への緊張と、空腹が眠りを妨げた。
これからどうなるんだろう?という問いも頭から離れなかった。
とにかく気分を軽くしたかったので、
検査が終わったら食堂のラーメンを食べよう、そう自分に言い聞かせて病院へ向かった。
子供の頃から、あの食堂のラーメンは大好きだったから。
最初に採血をした。
貧血だから採らないでほしい、と思ったが仕方ないので採ってもらった。
ガッツリ3本。
それだけで、くらくらした。
次に注射。
案内の看護師さんに、痛いやつですか?と聞くと、
点滴ですけど、という答え。
ホッとした僕に看護師さんは、大人なのに注射が怖いの?と聞いてきた。
もちろん!と答えると看護師さんはちょっと笑ってくれた。
点滴をつないでCT室へ。
造影剤という薬を使う事になっていた。
検査に必要なものという説明を受けたが、1万~2万人に1人の割合でアレルギー症状、
さらに10万~20万人に1人の割合で死亡する事もあるという。
同意書に署名する時、すこしためらった。
けど、心配してもしょうがないし、いつだってどんなときだって死ぬ時は死ぬ。
そんなふうに割り切ってサインした。
CT自体は痛みや、煩雑さもなく、ただ息を吸って止めて、
吐いて、吸って、止めて、ぐらいしかやる事がなかった。
時間も体感では10分くらいだったと思う。
最後に胃カメラに臨んだ。
専門の部屋かと思ったら、部屋の受付の後方にカーテンに区切られた寝台が2つ。
その寝台の列の向かいに机の列。
その上にモニターが数台。
胃の内部の画像かと思って目を凝らして見ると、某検索サイトのトップ画面だった。
ちょっと残念な気もしたが、今思うと胃の画像を見なくて良かった気もする。
そうやってキョロキョロしていると、
白衣+マスク+手袋の女性が紙コップを差し出して来た。
胃の中の泡を消す液体だという。
生温かくて、少しとろみがあり、若干酸っぱい。
渡してくれた女性の宣言通り、美味しくなかった。
続いて、喉の麻酔。
また液体だった。
口に含んで頭を壁にくっつけて、じっとしていて、という指示。
やってみると。
口の中から、じわーっと、喉に薬が流れていく。
気づくと、感覚が麻痺していて、少しむせた。
それだけの手続きを終えて、寝台の上へ。
膝を曲げて、横になる。
持参するように、と指示されたタオル2枚を口元に敷きつめられる。
胃カメラ中、口からこぼれる唾液を受け止めるために必要だったらしい。
マウスピースというか、哺乳瓶みたいな器具をくわえる。
やってきた先生に、少し眠気を誘う薬を身体に入れます、と告げられる。
うなづいて、目を閉じた。
前日眠れなかったのと、それまでの手続きで疲れていたせいか、僕の意識はそこで完全に途切れた。
目を開けると、ベッドの上にいた。
ここはどこなんだろう?
と思って見まわし、壁時計を見つけ、時刻を確認すると2時間以上時間が経っていた。
思わず僕はそばにいた看護師さんに聞いた。
ーーーえっと、胃カメラ、やったんですか?
つまり、胃カメラを体験しに行ったのに、胃カメラの記憶が全くない(笑)
何だかすっきりしない気分で手元のタオルを確認すると、湿っぽかった。
たぶん、僕の唾液だったのだと思う。
薬が抜けきらないせいか、意識がすっきりしないまま、ラーメンを食堂でいただき、帰宅した。
薬が効いていたのか、寝不足のせいか、胃カメラが体力を奪ったのかわからないけれど、帰宅してから、寝たり起きたりを繰り返していた。
とにかく、疲れた。
来週の火曜日、10日には大腸カメラの検査をして、
それから、10日後の20日に結果を聞く事になっている。
早く結果を知りたいというのが本音だ。
それでは、また。