hatopoppo_25's blog

気づけば普通の日記になっていました。

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その気持ち、わかるよ

今日は二週間に一回の病院。

僕の通う病院は開院何十年を超えていて、精神科と内科がある。

滝が流れるロビー、にこやかなスタッフ、五階建ての入院病棟。最近外装を塗りかえたばかり。ホールのテレビには、外国のドキュメンタリー番組が無音で流されていることが多い。

僕はここの精神科に10年以上通院している。今日は外来の患者がたくさんいた。ちょっと緊張。

いつも通り、調子はどう?変わりません。を終わらせて診察室を出ると、

「何でそんなに冷たいんだよ!俺は信じてたのに!」

男の絶叫が響いた。

隣の診察室の入り口で叫んでいた。職員に取り押さえられる。

「何でわかってくれねえ!」「俺の気持ちはどうでもいいのかよ!」

叫び続ける。

詳しい理由はわからないが、何となく察しはついた。

 

温度が違う。

僕は最初に受診した時そう感じた。

精神的に追い詰められて、誰にも相談できない、もうどうしていいかわからない。

周りに病院を勧められる。

自分は狂ってなんかいない。そう主張するも、つらい。

数回の葛藤、周囲との間に距離ができる。

決心して受診。

自分のことを分かってほしい。力を貸してほしい。話を聞いてほしい。

一人きりで悩んでいた僕はそんな気持ちでいっぱいだった。

でも、お医者さんは、「薬を出しておきますね」「それは妄想です。幻聴です」「周りに迷惑をかけていますよ」。

全ての医者がそんなことをいうわけではない。間違ったことを言っているわけでもないのもわかる。

でも僕は傷ついた。

たまたま最初にかかった担当医だけの意見かもしれない。

だけど、わらをもすがる思いで暗い部屋から飛び出してきて、誰にも言えなかったことを「告白」する僕と、冷静に「診断」する医者の間には、明らかな温度差があったように感じられた。

今日叫んでいた男もそんなことを感じていたのではなかろうか?

しばらくしてサイレンの音。

パトカーが来た。

ちょっとひどい。

 

それでは、また。