hatopoppo_25's blog

気づけば普通の日記になっていました。

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1200円、返してほしい。

近所にある自転車屋さんへ行った。

パンクした(させられた)自転車を修理するためだ。

 

禿げたおじさんが修理してくれた。

学生時代、僕は自転車通学だったので、このおじさんには結構お世話になっている。

改めてみると、おじさんは全然変わってなかった。頭髪以外は。

昔からそうだったが、青いつなぎが仕事着のようだ。ところどころ汚れているのだけど、仕事をしている証のようで、かっこいい。

店内を見渡すと、様々な工具、部品、ネジ、油の入ったブリキ缶みたいなやつなんかが並んでいる。古いポスターが色あせたまま貼りつけられている。

歴史というか、人の営みを感じて僕は心を躍らせた。

以前はこんなに誰かや何かに興味なんて持てなかった。自分の中で何かが切り替わったのか、ただ「普通」に近づいているのか、それはまだ分からない。

 

おじさんは、画鋲が横から刺さったタイヤをみると、こりゃひどい、と言って作業に取り掛かった。

少し喋る。

僕の自転車だけでなく、アパートのすべての自転車が被害にあった事を伝える。

すると、

「これは結構力いるよ。大人がやったか、子どもなら石か何かで叩いたのかもしれないな」と語る。

作業しながら喋るのに慣れているのか、作業と会話のテンポがこなれている気がして、僕にはそれが面白かった。

作業は手際よく進み、ものの5分で修理は終わった。

 

代金が以前より少し割高になっている。

僕は渋々、料金を支払った。

そもそも、いたずらされなければこの出費は無かったのだ。

そう思うと、怒りがこみ上げてくる。

ちくしょう、1200円返せ!

……でも、自転車屋さんの店内を見学できたのは面白かった。

そんなことを思いつつ、僕は図書館を目指して走り出した。

それでは、また。