スーパー、再び。
スーパーへ行ってきた。
怖いし、緊張する。生きた心地がしない。
だが、クロのために生肉を買いに行った。
突入開始。
正面玄関は目立ちすぎると考え、マイナーな方の入り口から侵入した。こっちなら誰もいないし、目立たない。と、思っていた。しかし、
「いらっしゃいませ!おはようございます!」
――お、おはようございます!
店員さんがいた。かなり焦った。
店員のおばさんは、僕が返事をすると、わらった。
笑ったのか、嗤ったのか、僕にはどちらなのかわからない。
次に真っ赤な口紅が僕の行く手を阻んだ。
試食コーナーのおばちゃんに捕まった。
朝早めで、客も少なく、暇だったようで、おばちゃんは僕を見るなり声をかけてきた。
「ウインナーどう?おいしいわよ」
強引に一本手渡される。僕はウインナーが苦手だ。
しかし、断る事も出来ず、無理やり口に放り込んだ。
やっぱり触感が苦手だ。プルプルした感じがどうしても受け入れられない。
「どう?おいしいでしょ?アンタやせてるわねえ、いっぱい食べてもっと太らないと彼女できないわよ!」
何で彼女がいないってわかったんだろう。
それで、ウインナー2個パックを1つ手渡された。
断れなかった自分が情けないと思った。
肉だからクロに任せられるのが救いだ。
そのあとは前回と同じく肉のコーナーへ向かい、おつとめ品を優先的に選んで豚肉を10パック手に入れた。
……ウインナー、次はちゃんと断ろう。
それでは、また。