好かれたい
小さいころから自分が嫌いだった。
さみしかったから。
「誰も自分にかまってくれないのは、自分に何か欠陥があるからだ」
そんなふうに感じていた。
でも、最近思った。
優れているからと言って、必ずしも愛されるわけじゃない。
同時に、
劣っているからこそ、愛されることもある。
クロと生活していて気付いた事だ。
少し絶望感が和らいだ。
病気が一番ひどくて、死にかけていた時、
「僕は誰からも必要とされない。自分なんか大嫌いだ」と思っていた。
よくよく考えてみると、「自分が嫌っている人間=自分」を誰かに好きになってもらおうとする、というのは虫のいい話なんじゃないか、という事に思い至った。
自分の好きでもないものを人に薦めるのは、完全な押しつけだからだ。
正直に言うと、僕は人に好かれたい。
だから、自分を好きになる努力をしている。
具体的にしている事といえば、
人の事を悪く思わないようにするとか、
自分で決めたこと(例えば夜7時以降は何も食べないこと)を守ったり、
できるだけ母の内職を手伝ったりしている。
完全に自己満足かもしれないが。
効果の点でも自信がない。だけど続けようとは思っている。
いつの日か。
誰かに「すきだ。あなたが大切だ」と言えるようになりたい。
その時、その人のさみしさを払拭してあげられるように。
だが、そんな相手が見つかる気配が全くない。
悲しい(笑)。
……いた。
師匠の事が頭に浮かぶ。
でも、駄目に決まってる。
叶う事のない夢は見ないんだ。
だけど。
……ああ。
それでは、また。