不良
今日はサトウ商店へ行ってきた。
クロのポテトチップとシャンプーを購入。
昨日の夕方、シャンプーを切らしたので、髪を洗えなかった。
僕はけっこう脂性なので、一晩洗わないだけでべたべたになる。
帰宅して、速攻で髪を洗った。
シャワーを止めて、バスタオルを身にまとう。
足首に軽い痛みが走る。
「ニャー」
クロに噛みつかれていた。食わせろ、と言いたいのだ。
チップを買って来ていた事に気づかれていた。
――ついてこい。
棚にしまっておいたポテトチップを開封する。
クロに向かって、腰に手を当て、ビシッと指をさして、
本能の命じるまま!思う存分むさぼるがいい!ふっーーはっはっはっは!と叫ぶ。
……むなしかった。
何やってんだ僕。
意味のわからんギャグをひとりでやって、しかも裸で、クロには(当然)無視されるし。さみしい三十路だ、とテンションを落とした。
ふざけてないとやっていられないぐらい、自分が空虚だった。
具体的に言うと、若干出っ張ってきた自分の腹を見るのがつらかったんです。
……年、とったなあ。
ついでに買っておいた。
タバコだ。
ちょっと大人を気取りたくて、僕はタバコに挑戦することにした。
410円。ライターは100円だった。
灰皿は小鉢で代用した。
箱のフィルムをはがす。
ふたを開けると銀紙が入っていた。
排除して1本取り出し、口にくわえる。
ライターを右手にかまえた。
……不良の気分だ。
何も悪いことしてないけど。
さあ、吸うぞ。
あれ?
固い。ライターってこんなに固かったっけ?
何とか着火。
吸う。
げほっ!ってなった。
むせた。何にもおいしくない。
だが僕はくじけない。
もう1度、煙を肺に送ってみる。
……倒れた。
だめだ。無理だ。
身体に悪いし、やめよう。
僕はいったい何やってんだろう。
でも、なんだか楽しくなってきた。
それでは、また。