何も考えない

今日は、スーパーへ行ってきた。

クロに与える生肉を手に入れるためだ。

開店と同時に走った。

冬休みだ。学生が動き出す前に決着をつけたかった。

試食コーナーのおばちゃんはいなかった。

あの人を見るともう、敗北感しか浮かばない。

わるいのは断れない僕自身だか。

そのかわり、

クリスマスケーキが売っていた。

１人で食べきれる量ではないが、今年はクロがいる。

あいつも甘党だからきっと食べるだろうと思った。

僕は白くていちごの乗っているケーキを１つを手に入れた。

肉のコーナーへ行くと店のおじさんに、

「おお、肉の兄ちゃんか」と声をかけられた。

僕は毎回、肉を１０パックぐらい買っているためか、覚えられたらしい。

ちょっとからまれる。

彼女がいないやつはさみしいねえ、とか。

何で彼女がいないってわかったんだろうか？

けっこういろんな人に同じことを言われる。

見た目だろうか？

髪を切っただけじゃモテないオーラが消えてないのか？

……もっと頑張ろう。

ついでにスーパーのオリジナルブランドのウーロン茶（２Ｌ）を９８円で購入しておいた。

これからクロとクリスマスパーティーだ。

ケーキとウーロン茶を美味しく頂くだけなんだけど、ひとりきりだった去年に比べればずいぶん救われてる。

そろそろ師匠はサトウ君と待ち合わせのはずだ。

今夜、師匠は。

……。

…………。

なにも考えるな、僕。

それでは、また。