石
今日は。
無策で外に出た。
「慣れてしまえば人だって怖くなくなる」と思って。
歩く。
人がいた。
笑われた。
負けるものか。
歩き続ける。
石を投げられた。
あたった。
痛い。
額が痛む。血が出た。
あいつらは嬉しそうに笑ってた。
まだ痛い。でも、
心の方がもっと痛い。
つらい。
でも、涙は出ない。
泣きたいのに。
そういえば昔にも石を投げられた事があった。
どこかの医者に相談した。
――石を投げられたんです。
「それは妄想だ。そんなことあるわけがない」
今だって投げられてるのに。
ばかやろう。
あの時、すごくさみしい気持ちだった。
人に言っても伝わらない。
信じてもらえない。
無駄なんだ。
でも、ひとりで耐えるのも疲れたなあ。
ああ、そうだ。
明日、師匠が来てくれる。
でも、説明する気力もない。もし説明しても信じてもらえなかったら?
そもそも愚痴を言って、何が変わるというのか?
僕はいったい人に何を求めているんだろう。
わかんないや。
それでは、また。