自殺
今日、この地方にも雪が降った。
音も無くはらはらと舞い踊るその姿は、
僕に死を連想させた。
僕は一時期真剣に自殺を考えていた。
10年前。
統合失調症が発症した時だ。
もう何もかも消えてしまえ。
この世界も、こんな自分も大嫌いだ、死んでしまえばいい。
全部「なかったこと」にしてしまいたい。
僕はあの時そんなふうに思っていた。
今は思わなくなった。
「なかったこと」にするのは、自分にとって大切な人を傷つけるからだ。
なぜなら、否定だから。
自殺は、嫌な事と一緒に大切な人との思い出や、そのつながりも、これからの未来も全部否定する事だと思う。
もし仮に僕のそばにいる人が自殺してしまったら、
「自分がその人のそばにいる事は、その人の生きる理由に値することではなかった」という意味に僕は受け取る。
一言で言うと「お前なんかいらない」と思われた、と僕は感じる。
飛躍しすぎで思い込みも入っていると思う。
全部自分視点だし。
でも、僕はそういうふうに感じる。
だから、少なくとも身近な人に自殺してほしくない。
なので、僕もしない。
僕が後悔しているのは、あの時何度も母に「死にたい」と言ってしまったことだ。
どれだけあの人を傷つけてしまったのだろうか?
「なかったこと」にできるなら、あの時の自分の言動を何とかしたい。
でも、できないのでこれから親孝行をしていきたい。
逆に。
母に対して恨んでもいた。
母はうつ病だ。
自殺未遂したこともある。
僕は子供のころ、母がいなくなる事が怖かった。
揺れていた。
いっそ死んでくれれば楽になれるのに、なんて最低なことを考えた時もあった。
傷つけたし、傷つけられもした。
もういいや、って最近は思ってる。肯定的な意味で。
これからを生きていきたい。
僕は生き続けるし、きっと母も生き続けてくれると信じたい。
明日からも頑張ろうと思う。
それでは、また。