生きる気力
実家へ行ってきた。
驚いた。
母が髪をバッサリ切っていた。
背中の真ん中まであった髪が、今日見たらいきなりボブ、である。
失恋でもしたの?と聞くと、
「そんなわけないでしょ」と笑う。
タバコに火をつける母。
いきなりむせてゴホゴホ言う。
ギャグではなく病気だ。
喘息なのだ。
もちろんタバコなんて御法度である。
しかし、いくらやめて欲しいと僕や姉が言っても、
「タバコを我慢するぐらいなら死んだ方がまし」なんて言う。
僕はどうするべきか本気で悩んだ事もある。
そんな事も知らずか何本もタバコをふかす母に、憤りを覚える事も数知れず。
「この世に楽しいことなんてもうない」何ていう母をいつか言い負かしてやりたい。
そして母に「生きているって素晴らしい。生まれてきてよかった」みたいなことを言わせてやりたいと僕は望み、企んでいる。
それが僕の夢の1つだ。
だからこそ、僕は変わらなきゃいけない。
母の瞳に映る世界を曇らせているのは僕自身なのかもしれないから。
……がんばる。
それでは、また。