元気
今日は病院へ行ってきた。
この1週間はテスト期間だった。
飲む薬の量のコントロール。
減らす事に挑戦。
先週から、
ヒルナミン25mgが減って5mgに。
その代わり眠る前にリスペリドンという錠剤が2錠追加された。
今まで食後のヒルナミンを飲むと2時間は動けなかった。
とにかくだるい。
地面から手が出てきて引っ張られているような感覚に襲われる。
しかし、前回通院した時から量が減って食後でも動けるようになった。
その事を先生に説明した。
もちろん1度調子を崩した事も正直に話した。
「大丈夫そうだね」と先生は笑った。
今の先生は11年前に出会った。
その時自殺しそうだった僕を助けてくれた人だ。
1度主治医が違う先生に変わった事もあるけど、数年前にまた戻ってきた。
しかし今年また、遠くの病院に勤務する事になったという。
再び、別れの時が来た。
先生も大変らしい。
「こんな事今だから言えるけど、僕はあの時君は死んじゃうんじゃないかと思ってた。元気になって本当によかった」と先生は笑う。
ここ最近、先生は何度も僕にそう言っている。
そんなにひどかっただろうか?
ひどかった。
とにかく落ち着かないし、止まっていられなかった。
1日中狭い部屋の中で歩き回っていた。
入院中は発作が起こると、しょっちゅう注射を打ってもらっていた。
薬を飲んで対処する事もできたのだが、僕は調子を崩すと吐き気も起こる。
だから、注射を打ってもらっていた。
調子を崩すと、注射程度の痛みなど苦痛の範疇に入らなかった。
それくらい切羽詰まるのだ。
発作が起こっていない時でも、常に不安で、何かに怯えていた。
世界が敵で、自分自身も自分が嫌いだった。
でも、いまは違う。
発作がそんなに起きなくなった。
自分のことを嫌うのも飽きたのでやめたし、
他人にも関心を持てるようになった。
できない事があっても、そこから「じゃあ、どうすればできる?」って考えられるようになった。
目を向ければ周りの世界はいろんな顔を見せてくれる。
それが楽しい。
なので、死ななくてよかった。
薬は徐々に減らす事になった。
「今の君なら大丈夫」と先生は言ってくれた。
これからも薬の調整は続く。
僕はどんどん自由になると、勝手に確信してる。
根拠なんてない。
でも、
わくわくする。
それでは、また。