豆腐ダッシュ

今日は朝から調子がよかった。

僕の好きな雨だったし。

傘をさして散歩に出たり、雨がっぱを着て図書館にも行った。

その帰りコンビニへも立ち寄った。

マーボー豆腐の素やインスタントみそ汁、真空パックのきんぴらごぼうを手に入れた。

今日は夜飯が充実してるぜ！と思ったが、部屋に戻って豆腐がない事に気付く。

ああ、どうしよう。

まあ、いつも通りハンバーグの１人舞台でいいか、と思った。

しかし、マーボー豆腐も食べたいという思いは、僕の中でくすぶり続けていた。

買い物は済ませたし、夕食の確保も出来た。

掃除機もかけたし、風呂掃除もした。

というわけで、僕は夕食までゆっくり本を読む事にした。

こたつに入って文庫本を開いていると、

外からラッパの音が聞こえてくる。

なんだろう、たまにこの音するなぁ、と思って窓から顔を出す。

車。

軽自動車と言っていいのか、中途半端なサイズの車。

車体の側面に、「豆腐の販売車」と書いてある。

とうふ！？

僕は財布を持って、玄関のドアを開け、駆け出した。

どうしてもマーボー豆腐を食べたい！

全力ダッシュ！！

販売車はすでに走り出していた。

間にあってくれ。

息が上がる。足が痛い。部屋着だからちょっと恥ずかしい。

すみませーん！と右折しようとしている車に叫んだ。

止まってくれた。

女の子が下りてきた。

赤茶色のくるくるパーマ。もみあげとえりあしを刈り上げたツーブロック。

こんな田舎にしてはおしゃれっぽい子だな、と思った。

もめん豆腐を１つ買わせてもらった。

２００円。ちょっと高い。

「走らせてごめんなさい」と、豆腐プリンを１つサービスしてくれた。

夕食はマーボー豆腐とハンバーグの強力タッグが並ぶ事になり、僕は舌鼓を打ちまくった。

豆腐は、身がつまっていて濃厚な印象。

豆腐プリンはあとで夜食として頂こうと思っている。

楽しみだ。

それでは、また。