hatopoppo_25's blog

気づけば普通の日記になっていました。

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いとこ

午前中、母から電話がかかってきた。

客が来ているという。

僕の9つ年上のいとこの兄ちゃんだ。

彼は2週間前から糖尿病で入院していた。

今日退院で、実家にあいさつに来ているという。

僕はすぐに会いに行った。

 

彼は僕が小学生のころ、隣同士の家に住んでいた。

父親がいなくて、母はうつ病、姉は大腸の病気でそれぞれ入院。

そういう事情があって僕は1人暮らし。

その時によく遊んでもらっていた。

1人きりでカップラーメンを食べて、ファミコンばかりの生活。

学校にはたまに行っていたけど、引っ込み思案の僕にはそんなに友だちはいない。

それでも、彼がいてくれたから僕はそんなにさみしくなった。

 

歳が9つも離れているせいか、いとこなのだけど父親のような存在でもあった。

普段は温厚なのだけど、駄目なものは駄目だとはっきり叱ってくれる人だ。

「こういう事を言うと人を傷つける」とか、

「約束を破ると信用をなくす」とか大事なことはあの人に教わった。

とても感謝している。

 

実家で久しぶりの再会。

前回見た時より少しやせて見えた。

糖尿病なので入院中、徹底的に食事管理をされたという。

入院生活の後半、軽く汗を書く程度の運動もしたそうだ。

病気の原因は不養生な食生活だと言っていた。

なので、当分のあいだ甘いものやこってりした物は食べられないとガックリしていた。

母の用意したコーヒーもブラックだったし。

 

1時間くらい話していると話題は仕事の内容に及んだ。

彼は設計の仕事をしている。

建物の強度を計算するのが主な業務らしい。

大きな物から小さな物まで様々な強度計算をしているという。

僕は軽い気持ちで「楽というか、簡単な仕事ってどんなの?」と聞いた。

すると、

それまで穏やかだったのに、兄ちゃんは急に厳しい顔になって「そんなものはない」と言った。

設計の仕事において、建物の強度の計算を間違えると人命にかかわる。

だから、気を抜いたり、楽だと思った事はないらしい。

それに「楽な仕事なんかないぞ」と叱られた。

声を荒げたりはしないけど、真剣でストレートな叱り方は全然変わってない。

僕は懐かしさを感じていた。

同時に、やっぱりかっこいいなこの人、と改めて思った。

あこがれの兄貴は変わっていなかった事が嬉しい。

暗い中にも楽しさのあった少年時代を思い出した1日だった。

それでは、また。