連続ハンバーグ１００日目

僕は毎日連続で夕食にハンバーグを食べ続けている。

今日で、１００日目。

手作りのやつ。

雨の日も風の日も。

きっかけは、母とのケンカだった。

ケンカというか、母が「もう死にたい。生きていてもしょうがない」と言ったので、

僕が泣きわめいて説得した。

生きていてくれ、と。

説得はうまくいった。

それで、母は「でも生きていてもする事が無い」と言うので、僕がお願いした。

毎日食べるからハンバーグ作ってほしい、と。

最初は約束通り母が作ってくれていた。

が、あの人の特徴は決めた事を続けられない事だ。

結局、僕が自分で作ることになった。

冷静になると、ハンバーグ生活を続ける理由なんてない。

だけど、メリットがあるのだ。

２つ。

ひとつは、夕食のメニューを考える手間が省ける。楽。

ふたつ目の理由は、コストが安い事。

ちょっと遠くのスーパーでは、牛と豚のあいびき肉が８００グラム、５９９円で売っている。

そのひき肉１パックで１週間分ぐらいハンバーグをまかなえる。

一緒に使う野菜とかパン粉、卵を考慮しても１日１００円もかからない。

何よりも、おいしい。

以上の理由で、この生活を続けていたら１００日経っちゃったのだ。

母や姉、甥っ子たちに「飽きないのか？」と突っ込まれる。

飽きないのだ。

工夫をしているから。

基本的にソースを変えるだけでずいぶん楽しめる。

洋風では、ケチャップ、ソース、デミグラス。

たまにカレー、シチューに入れる事もある。

和風では、ポン酢がメイン。

それに、おろし生姜、食べるラー油、おろしにんにく、柚子こしょうなどを合わせて楽しむ。

これらをローテーションしてきたわけだが、今のところ飽きる気配はない。

元々ハンバーグが好きだし。

そういうこまごまとした工夫をすることで、学びが得られた。

色んなものを楽しめるようになったのだ。

ＡとＢという２択から選ぶ事も楽しめるし（和風と洋風、とか）、

自分でＣという選択肢だって作れちゃうのだ（新しいソースを作るとか、買い物に行って新しいソースを手に入れる、とか）。

この枠組みは他の事を選択する時にも使える（と思う）。

なので、生きる事がちょっぴりうまくなった。

 ちなみに今日は塩ハンバーグに挑戦した。

しょっぱかった。

結局、味が単調すぎたので、最強の相棒ケチャップ先生にご登場を願うことになった。

色々失敗する事もあるけど、まだまだハンバーグ生活は続けられそうだ。

僕は今、ささやかな選択の自由を楽しめている。

それでは、また。