小説
いま僕は小説を書いている。
読んでくれる人がいるからだ。
その人は町のバスの運転手さんで、すごく元気というか、明るい人だ。
バス停で発車するまでの待ち時間で少し喋った事があって、その時に、
「普段何してんの?」と聞かれ、
「小説を書いてます」と答えた。
そしたら「見せてみろ」という事になって、1度見せた。
ちょっとためらいもあったのだけど、人に見てもらえるのは幸運だと思ったので、見てもらうことにした。
後日バスに乗った時書いたものを渡し、その次に乗った時に感想を言ってもらえた。
4つ嬉しかった。
ひとつ。
読んでもらえた事。
ふたつ。
「文章がわかりやすい」とほめてもらえた事。
みっつ。
「ハッピーエンドかよ」と突っ込まれつつ、内容がちゃんと伝わっていた事。
最後に、
「また他のやつを読ませてくれ」と言ってもらえた事。
見てもらったのは短編。
今まで5作書いてそのうち完結しているのは2作だけで、あとは「第2話へ続く」みたいにになっていて、未完だ。
しかも書きあげたもう一つのほうは、このあいだ読んでもらったやつより出来が悪い。
こんなの見せるわけにはいかない、と思う。
だが、また読んでもらいたい。
という訳で、新しく小説を書き始めている。
それで、いま苦戦している。
今までは自分が楽しければよかったのだが、人に読んでもらう事を意識すると、色々ためらってしまう。
葛藤する事が多い。
だけど、一生懸命頑張るのはこの上なく楽しい。
充実している。
それでは、また。