ほんとのこと
今日は髪の毛を美容院で切ってもらってきた。
その後、コンビニを2軒渡り歩いた。
雑誌が欲しかった。占い特集をやってるやつ。
結局、雑誌は見つからなかった。
外を出歩きすぎたのか、僕は調子を崩し、発作が起きた。
いつも通り神経が過敏になる。
光、音、コエ、全てに圧倒される。
自分が破綻しそうになる。
加えて、何かに責められる。
「うそつき」「偽善者」「死んだ方がいい」と言われている気分になる。
いつもは薬を飲んだり、泣いたりして、やり過ごしていた。
だが、今日は選択を変えた。
僕を責めるお前は誰なんだ?と思った。
正体のわからないその「なにか」に問いをぶつけた。
いつ僕が嘘をついた?
偽善者って何だ?
死んでたまるか……。
逃げてやり過ごす代わりに、問いを立てて答えを探し続けた。
すると、1人の同級生の事が頭に浮かんだ。
小学生の時の同級生だ。
僕と彼は「恐竜が好き」という共通点があったので、よくつるんでいた。
話が合ったのだ。
恐竜のクイズを出しあったり、豆知識が入ったら伝えあったり。
仲はよかったのだが、たまにケンカもした。
暴言を吐くこともあった。
「マザコン」とか「貧乏人」とか「ばか」とか。
最初はケンカをした時だけだったが、あまりにも彼がへらへらしてたので、僕は日常的に彼に言葉の暴力をふるうようになった。
最低だと思う。
僕は人を傷つける事は悪だと思っていて、「自分は人を傷つけない人間だ」なんて思おうとしていた。
でも、実際には僕は人を傷つけてきた。
つまり「偽善者」だ。
人を傷つけるような人間が幸せになんかなれるわけがないと思う。
だけど、あの時もそうだし今だって僕は誰かを傷つけているかもしれない。
でも、自分にとって都合の悪い事だから、抑圧した。
「幸せ」になりたかったから自分に嘘をついていた。
だから「うそつき」だった。
そういう事に気づいたので、ちゃんと認める事にした。
みないフリ、気付かないフリをやめた。
すると、ホッとした。
なぜかというと、そんなひどい人間である自分でも、けっこう人に受け入れられている気がしたから。
僕を責める「なにか」は、自分自身だったのかもしれない。
これからはもうちょっとましな人間になろうと思う。
そこまで考えて、気付いた時には発作はおさまっていた。
「うそつき」はやめて、きちんと「だめな自分」を受けいれようと思う。
もちろん、人を傷つけない方向で。
それでは、また。