hatopoppo_25's blog

気づけば普通の日記になっていました。

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いとおしい

昔、猫を飼っていた。

メス猫なのに、名前は「しゅんたろう」。

何でそんなことになったかと言うと、拾ってきた姉がオスと勘違いして名前をつけてしまったからだ。

 

中学から高校時代にかけて、僕はしゅんたろうと2人暮らし(1人と1匹暮らし)をしていた。

しゅんたろうは僕になついていた。

いつも膝の上に乗っていたし、寝る時も僕のわきの下か、股の間で眠っていた。

なので、寝返りが打てなかった。

いつでも一緒だった。

 

きっとしゅんたろうは、僕を愛してくれていたと思う。

でも、僕は素直にその気持ちに応えられなかった。

世話をするのが僕ひとりだから、「しょうがなく」なついている。

それ以外に愛される根拠がない。

そんなひねくれた発想しかできなかった。

今思うと、ひどい話だと思う。

仮に僕が誰かや何かを好きになったとして、その相手に「仕方なく寄ってきてるんだろう」なんて思われたら辛い。

自分が相手を想っていればいるほどに。

 

未だにあいつの気持ちに応えられた自信がない。

僕が統合失調症になって少ししたぐらいの時に、しゅんたろうは病気で死んだ。

朝起きたら、枕元で倒れていた。

泣いた。

その時僕は、自分の中にあるあいつへの気持ちに気づいた。

どれだけあいつの存在に救われていたのかを実感した。

けど、遅かった。

 

いま、僕はカメを飼っている。

名前は「ミルク」。

僕はかわいいと思って接しているが、全然なつかない。

噛みつかれた事もある。

自分なりにかわいがってはいる。

具体的に言うと、話しかけている。

「ここにいてくれて、ありがとう」とか。

多分意味は理解されていないだろうけど。

 

根拠なんてないけど、僕はミルクが好きだ。

揺るぎなく好きだ。

しゅんたろうもこんな気持ちだったんだろうか?

そんなふうに思って、ちょっぴり自分の人生を肯定していたりする。

それでは、また。