システム
公園へ行った。
ベンチに座り、ノートを広げて言葉を綴る。
午前中の日差しはなかなか強かったけど、日傘があれば大丈夫だった。
僕は穏やかな気分で、しばらくペンを走らせていた。すると、
バババババババっ、と扇風機に紙きれを突っ込んだみたいな音がした。
視線を向けると、セミとスズメ。
スズメがセミをくちばしで突っついていた。
セミはもう天も地もわからないのか、地面に向けて羽ばたきを繰り返す。
スズメは容赦なく攻撃を加え続ける。
僕はどうすればいい?
セミを見殺しにするのもどうかと思う。
かといって、セミを助けたらスズメは飢えてしまう。
答えが出ない。
手が出せなかった。
それから数秒してセミは動かなくなり、スズメが亡骸をくわえて飛んで行った。
改めて思う。
他の生き物を殺して食べないと生きていけないってシステムってどうなんだ、と。
神様はどういうつもりなんだろう?
残酷だ。
せめて僕は「いただきます」と「ごちそうさま」を忘れないようにしよう。
そんな事を考えていた。
それでは、また。