読書感想文
昨日、兄さん(甥っ子兄弟の兄の方)に読書感想文のゴーストライターを頼まれた。
毎年の事だ。
頼まれたので、僕はすぐに本を読み始めた。
兄さんは携帯を片手に、だら~んとしていた。
僕は集中していたのだけど、兄さんがちらほら話しかけてくる。
兄さんにとっては重要なことかも知れなかったかもしれないが、僕は感想文に集中したかった。
正直、邪魔に感じた。
なので、「ちょっとごめん、集中したいから」と断った。
しばらくすると、兄さんは昼寝を始めた。
読書感想文を書くために読んだのは、「キッチン」という小説だ。
僕は以前にも読んだ事がある。
内容がぼんやりと頭に残っていたので、すぐに感想文にとりかかれた。
最初は兄さんになりきろう、と思いながら書いていたが、結局最後は僕の感想文になってしまった。
何を書いたかというと、
・登場人物は互いを理解しようとしている。
・自分の事をわかってくれる人がいる事ほど、その人を支えてくれる事はないのではないか?
というような事だ。
思った事を思うままに書いた。
1時間くらいで書き終える事ができた。
そのあと、僕は考えた。
僕は誰かをわかってあげられているのか?
「わかってほしい」と思っているくせに、僕は人をわかろうとしてないんじゃないか?
実際に兄さんの話を聞く事を、断わってしまったわけだし。
僕は携帯を握りしめたまま寝ている兄さんに向って、ごめん、と謝っておいた。
今度じっくり話しをしようと思う。
という訳で、兄さんの方の読書感想文は終わった。
だが、天才(弟の方)の読書感想文が残っている。
そっちの方も頑張ろうと思う。
それでは、また。