絵を描いた

絵を描いた。

掃除機だ。

頑張ったのは、持ち手付近のホース部分だ。

ここは自分では結構うまく書けたと思っている。

上から書いていったので、下に行くにつれて雑になっている。

線が歪んでいたり、形が非対称だったり、そもそも塗り方が適当だったり。

根気が続かなかった（笑）。

でも、僕は悪くないと思っている。

病気が一番ひどい時は、ここまで書けなかったからだ。

落ち着かなくて、同じ作業を続ける事ができなかったし、

絵を書こうという意欲すら湧かなかった。

意を決して書こうと思っても、今度は手が震えたりもした。

あの頃に比べると、格段に自由になった。

親戚のおばさんに、絵手紙を定期的に描いて送っていた事がある。

その時僕は、自分の絵が下手なのが嫌だった。

かと言って、訓練するほどの根性もなかった。

それで、おばさんに下手ですみません、みたいな事を言った事がある。すると、

おばさんは「プロでも何でもないんだから、楽しめばいいのよ」って言ってくれた。

それでも、劣等感の強い僕は、自分の無能をゆるせなかった。

そして、絵を描く事をやめた。

ところが最近。

別に下手でもいいじゃん、と思えるようになった。

劣等感がゆるくなったせいか、

何かをするたびに「この程度じゃ馬鹿にされる」とか、

「うまく書けなかったら、自分には価値がない」とか思わなくなった。

自分のペースで、好きなように描く。

下手なのはそのうち何とかなるだろう、と勝手に思っている。

描く事が楽しくなった。

素直に描きたいと思った時に、 描きたいものを描きたいだけ、適当に描く。

そういうぜいたくを堪能している。

それでは、また。