筋肉
朝8時くらいに、兄さん(甥っ子・16歳)から電話があった。
今からそっち行っていいかな?と。
許可した。
僕は布団をたたみ、窓を閉め、エアコンをつけた。
それから10分ぐらいして、兄さんはやってきた。
なぜか制服姿だ。
――今日学校あるの?
「違うよ」
――じゃあコスプレか?
「いや、本職だからw」
事情を聞くところによると。
姉が出かけてて、弟もサッカー部の練習。
必然的に父親と2人きり、という状況。
それが嫌で逃げてきたらしい。
口実として、「学校に行く」と嘘をついた。
その結果、制服着用、という流れらしい。
僕の場合、父親は物心がつくかどうかぐらいでいなくなったので、父親と2人きりとかうらやましい。
あこがれる。
というような事を兄さんに伝えたら、「全然よくないよ。うっとうしいだけだ」と言っていた。
そんなものなのだろうか?
うーん。
そのあと時間があったので、相撲を取った。
互角の戦い。
お互いにやせ形で同じ体型なので、力が拮抗する。
兄さんは背が伸びて、いま僕とそう変わらない。
小さい頃、肩車をしていた相手と取っ組みあって互角というのは、なんだか不思議な気分だ。
相撲をやっていて、お腹が痛くなった。
腹筋が悲鳴を上げた。
僕は普段から、腹筋50回ぐらいやっているので、腹筋にはちょっと自信あった。
だが、腹筋運動と相撲では、使う筋肉の種類や、かかる負荷のジャンルが違うようだ。
動けないぐらい痛んだ。
待って!腹痛い!とかタイムをとりながら、相撲をした。
勝負の結果は3勝2敗。
何とか勝ち越せた。
汗だくになったけど、さわやかな気分だった。
それでは、また。